中國へ頭脳流出が顕著な例がノーベル賞受賞候補者にも?
東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 栄誉教授の藤島昭氏は、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 光触媒グループ, グループリーダーで温和な顔をされて中國が研究の場を与えられて喜んで行かれるのか?、日本の利益の送出そのもので政府の危機感が中國の「千人計画」で分かっていると思いますが、藤嶋氏は「人類のために研究するだけ」と説明しているが、中國は外国の優秀な人材の引き抜きを積極的に進めており、あらゆる面で優遇されるのでしょう。
日本でも研究事業に際して細かい規制がありますが、文部科学省の科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」であり、ピアレビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。
この様な科研費の資金を得ていたのでは無いかと推測しますが、単身ではなく若干のスタッフも連れていかれるかも?日本にいて研究するよりも中國での何でも容認される事で間違いなく親日に変容して中國のために働いてしまうのでは無いか心配は尽きません!
日本の政治家にも親日が多いので積極的に送り出してしまうのでは無いでしょうか?
ノーベル賞候補が中国で研究
日本の「頭脳」流出懸念
https://nordot.app/806441109879144448
2021/9/3 18:03 (JST)9/3 23:48 (JST)updated
© 一般社団法人共同通信社
藤嶋昭氏
【上海共同】光を当てるだけで化学反応を促進する「光触媒」を発見し、ノーベル賞候補に名前が挙がる藤嶋昭氏(79)=東京理科大元学長、東京大特別栄誉教授=が、中国の上海理工大で研究を進めることが3日、分かった。
藤嶋氏は「人類のために研究するだけ」と説明しているが、中国は外国の優秀な人材の引き抜きを積極的に進めており、日本の「頭脳」が中国へ流出する懸念も高まっている。
藤嶋氏は共同通信に対し、新型コロナウイルス流行の収束後、年に数回上海を訪れ「光触媒を用いた空気の清浄技術の研究」に当たると述べた。。
藤島教授も「日本学術会議」に属しているかどうかは判りませんが、間違いなく中國での研究に行かれるようなので研究成果が中國に於いての共有成果に為るでしょう。
決して研究に於いての成果が教授の思いを中國の利用を単純に共有することにはやむ負えません。
中國の科学技術は間違いなく急速に世界に追いつき侮る訳には行かない。
スタートが共同研究ではなく、以前はスパイ映画の様に搾取して自分の研究であると誇示する事から、今はネットで容易に盗んでいく。そして世界に君臨する組織にまで作り上げた。
巨大化した現在進行形のAIを駆使して世界の自由よりも中國の利便性を優先した方向に邁進してのが「戰狼外交・覇権主義」に抵抗できない日本が親中議員を生み出したのかも?
前の記事も中國の絡んだ問題で次も中國絡みで「武漢ウイルス」で日本が2回目のワクチン接種の日本国民にほぼ目鼻が見えた事がイギリス株(アルファ型)対インド株(デルタ型)の戦いは、日本でもインド株の勝利に終わったようです。本家のイギリスでも、アルファ型はデルタ型に駆逐されましたが、日本でも同様の結果で、日本での流行の主流は、既にデルタ型に代わっています。
抗体の機能を強化する方向で3回目を考えているようです。
「医」の最前線 正しく恐れる
3回目ワクチンは国産の可能性
~抗体価減少への対応で出番~
―コロナを正しく恐れる 第3回―
https://medical.jiji.com/column4/66
東京五輪開会式の花火。期間中に第5波の感染爆発が起き、デルタ型に置き換わった【AFP=時事】
前回話題にしたイギリス株(アルファ型)対インド株(デルタ型)の戦いは、日本でもインド株の勝利に終わったようです。本家のイギリスでも、アルファ型はデルタ型に駆逐されましたが、日本でも同様の結果で、日本での流行の主流は、既にデルタ型に代わっています。
その理由として、デルタ型はアルファ型よりもさらに感染力が強いためとされています。従来の新型コロナウイルスは1人の感染者から平均1・4〜3・5人くらいに感染していましたが、デルタ型は1人の感染者から平均5〜9人に感染するとのことです。季節性インフルエンザよりも感染力が強く、驚いたことに空気感染する水ぼうそう(水痘)と同等だそうです。
◇デルタ型:感染力が強い理由
なぜ、デルタ型はそれほど感染力が強いのでしょうか。従来の新型コロナウイルスよりも感染者の体内でのウイルス量が1000倍以上多く、感染者が周囲にまき散らすウイルスの量が、圧倒的に多いのではないかといわれています。また、ウイルスを排出する期間も長くなるとのことです。ウイルス量が多く、ウイルスの排出期間が長くなるいやらしい変異株です。
海外からの報告では、デルタ型は従来の新型コロナウイルスと比べて、重症化リスクが高いとのことですので、注意が必要です。しかし、ワクチンは有効で、大阪府の調査によると、ワクチン接種率が8割を超えている65歳以上の高齢者では、感染者および重症者は激減しています。ただし、国内外でワクチン接種者でのブレイクスルー感染(ワクチンを接種している人が新型コロナウイルスに感染し、他の人にうつす感染)があり、感染予防効果は従来株ほどには期待できません。
また、ワクチンに関しても気になるニュースが増えてきました。ワクチン接種が進んで来る中で、ワクチンによってできた中和抗体が長持ちしないのではないか、3回目のワクチン接種(いわゆるブースターワクチン)が必要になるのではないかというメディア報道が増えており、「ワクチン接種に意味があるのか」という疑問の声も出ているようです。
◇ワクチン接種の明確なメリット
これについては、たとえ抗体価が急激に減るとしても、ワクチン接種はメリットが明確にある、といえます。実は、一度、中和抗体が減ってゼロになったとしても、中和抗体をつくるB細胞は敵(この場合、新型コロナウイルス)を記憶しており、外部から入ってくれば速やかに中和抗体をつくり、対抗します(これをメモリーBセルといい、新型コロナウイルスに限らず、感染症に一度かかった人でよく知られている現象です)。その結果、新型コロナウイルスの感染を予防できなくても、発症や重症化・死亡を防ぐことができます。
実際、ファイザー社のRNAワクチンでは、2回目の接種から2―4カ月後で90・1 %の発症予防率、4-6カ月後でも83・7 %と報告されています。また、重症化予防率は、2回目の接種から6カ月で96・7 %と報告されています。特に、重症化予防率が高いのは、先に述べたメモリーBセルの働きだけでなく、細胞性免疫の作用によるともいわれています。
ワクチンのメカニズムには、B細胞が中和抗体をつくってウイルスの感染を防ぐ液性免疫と、ヘルパーT細胞がインターフェロンγなどのサイトカインを産生してキラーT細胞やNK細胞を活性化させ、ウイルスの増殖をきたしている細胞を攻撃して死滅させる細胞性免疫の2つの経路があります(図1)。液性免疫は感染や発症予防効果に関係し、細胞性免疫は重症化予防や死亡予防に貢献していると考えられています。
液性免疫と細胞性免疫(図1)
今、国内で接種可能なファイザー社やモデルナ社のRNAワクチンとアストラゼネカ社のアデノウイルスベクターワクチン、我々のDNAワクチンなどは、液性免疫と細胞性免疫の双方を誘導する作用を持っており、不活化ワクチンとたんぱく質ベースのワクチンは、液性免疫だけで細胞性免疫が誘導されないといわれています。
中国製のワクチンが主流となっている中東諸国、インドネシアなどの東南アジア各国、ペルーなどの中南米諸国で、デルタ型による重症化や死亡者が欧米に比べると多いのは、このようなワクチンの種類の違いによるのかもしれません。その意味で、日本においては、たとえ中和抗体が早期に減っても、現在接種可能なワクチンを接種する意味は大きいといえます。
◇抗体価の低下は現実
では、本当にファイザー社のRNAワクチンでは、抗体価が急激に低下するのでしょうか。これは、どうやら本当のようです。藤田医科大学は、ファイザー社製のワクチンを接種した大学の教職員209人を対象に、血液中のウイルスに対する抗体の量を調査したという発表をしました。
研究グループによると、1回目の接種から3カ月後の抗体の量は、2回目の接種から14日後と比べ、約4分の1にまで減少しました。接種後3カ月ぐらいの時点で割と急激な減衰が見られて、その後少しずつ下がっていくとのことです。また、年代別や男女別で抗体の量の平均値を比較したところ、年代・性別を問わず、同様の減少が見られたそうです。
また、鹿児島市の米盛病院は、ファイザー製ワクチンを2回接種した同院の医療従事者に対し、接種3カ月後の抗体検査を実施した結果、検査に応じた669人の抗体値の平均値が、2カ月間で約48 %に半減したと明らかにしています。
実は、私自身の抗体価も大きく低下しています。私の場合は、2回目接種後(4月26日)中和抗体は急激に上がりましたが、7月末に抗体検査キットで測定しますと、既に抗体は確認できませんでした。やはり、抗体価が急激に低下するのは事実のようです。
ただ、既に述べたように、だから意味がないわけではありませんので間違えないでください。最近、抗体価がどうなっているか知りたいという人が増えており、私もよく質問されます。抗体を簡単に見るのは、抗体検査を用いれば可能です。ただし、ワクチンでできるのは、スパイクタンパクに対する抗体ですので、抗体検査で見るのはスパイクタンパクのキットでないと分かりません。どの抗体検査キットでもよいわけではありませんので注意が必要です。
◇ブースターワクチンの必要性
今、注目されているのは、このような抗体の減衰が、RNAワクチンに特別なのか、それともすべてのワクチンのタイプで同じなのかです。これは、まだ結論が出ていません。場合によっては、効果はRNAワクチンほどではないが、長続きするワクチンもあるのかもしれません。
さて、先ほど書いたようにRNAワクチンによる中和抗体が減ってきますので、では、どうすればよいのかという質問になります。この答えが、3回目のワクチン接種、ブースターワクチンです。これは、既に抗体をつくれるような免疫システムの準備ができていれば、3回目を打てば、2回目以上に抗体ができるという考え方で、既に正しいことが知られています。
実際、ファイザー社、モデルナ社、それぞれブースターワクチンの必要性を認めており、既にイスラエルでは、3回目の接種も進んでおり、改めて新型コロナウイルスの発症予防に効果があることが示されています。この場合も3回目のワクチンの種類は同じがよいのか、別のタイプがよいのかという疑問があります。
国内各社のワクチン技術(図2)
この疑問に対する回答は、別のタイプがよいと考えられています(交差免疫といいます)。違ったメカニズムで免疫を刺激したほうが、中和抗体の量も増えて、抗体の産生期間も長いと考えられています。
その意味で、国産ワクチンは、ブースターワクチンとして意味があると思います。それぞれ、ファイザー社やモデルナ社のRNAワクチンとは違うモダリティ(技術)で開発されているからです(図2)。
私どもも、DNAワクチンをブースターワクチンに使えないかと考えています。例えば、ファイザー社のRNAワクチンを2回接種した人で中和抗体が減少した人に3回目、4回目をDNAワクチンで接種をする。メリットは安全性で、DNAワクチンではRNAワクチンのような発熱や倦怠感、疲労感などがほとんどありませんので、安心して接種してもらうことが可能です。その場合、2回目接種した後の抗体価以上に、3回目のDNAワクチンで元のレベルに戻れば、十分発症、感染、重症化予防効果が期待できるわけです。このような考えで、ブースターワクチンとしてDNAワクチンをはじめとする国産ワクチンを開発していくのは、どうでしょうか。
森下竜一 教授
森下 竜一(もりした・りゅういち) 1987年大阪大学医学部卒業。米国スタンフォード大学循環器科研究員・客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年から大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授(現職)。内閣官房 健康・医療戦略室戦略参与、日本遺伝子細胞治療学会理事長、日本抗加齢医学会副理事長、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会総合プロデューサーなどを務める。著書に『機能性食品と逆メソッドヨガで免疫力UP!』、新著に『新型コロナワクチンを打つ前に読む本』など。自身で創業した製薬ベンチャーのアンジェス(大阪府茨木市)で、新型コロナウイルスの国産DNAワクチンを開発中。
(2021/09/03 05:00)
中國の「武漢ウイルス」の変異株アルファ型とデルタ型の戦いで(英国変異株=アルファ型:印度変異株=デルタ型)感染理由として、デルタ型はアルファ型よりもさらに感染力が強いためとされています。従来の新型コロナウイルスは1人の感染者から平均1・4〜3・5人くらいに感染していましたが、デルタ型は1人の感染者から平均5〜9人に感染するとのことです。季節性インフルエンザよりも感染力が強く、驚いたことに空気感染する水ぼうそう(水痘)と同等だそうです。
やはり、政府が「武漢ウイルス」で対応を検討しているのが3回目ワクチン接種を行う必要があると考える訳があると思います。
中國絡みで16年続いたメルケル首相も政界を引退する件でも日本にもドイツ代表を選ぶ際に何が変わるのかを注目しておく必要がありますので次の記事にも目を向けて於きます。
政治・経済 ヨーロッパ
日本にも影響「ドイツ総選挙」でこう変わる
16年間続いたメルケル政権がついに終幕へ
https://toyokeizai.net/articles/-/452773
総選挙後に政界を引退するメルケル首相と後継首相候補のラシェットCDU党首(写真・Bloomberg Finance LP)
9月26日、ドイツの下院・連邦議会(基本定数598、改選前の調整後議席数709)の総選挙が実施される。16年にわたって政権を率いていたメルケル首相は総選挙に出馬せず、選挙後に政界を引退する予定。与党第1党の支持率が低迷するなど選挙戦は波乱含みとなっており、選挙後のドイツと欧州連合(EU)の行方が注目される。選挙の展望やメルケル時代の評価、日本への影響などについて、欧州経済やEU情勢が専門の伊藤さゆり・ニッセイ基礎研究所研究理事に聞いた。
転換期の担い手を決する選挙
――今度のドイツ総選挙の重要性についてどう考えていますか。
まず、16年間にわたって政権を担ってきたメルケル首相の後継を選ぶ選挙になるということで非常に大きな意味を持っている。
また、この16年間を振り返ると、ドイツ経済はとくに欧州において独り勝ちの状況にあったが、今は経済・産業のあり方自体が大きく変わろうとしている。欧州ではグリーン化を加速させる方向にあり、それを実現するためのデジタル化も重視される中で、今までの産業上の優位が維持されるかどうかが不確かになっている。そうした転換局面における政治の担い手を選ぶ選挙になるという意味でも非常に重要だ。
――選挙戦の現状をどう見ていますか。
選挙までに3回行われる首相候補のテレビ討論会の第1回が8月29日に行われ、本格的に選挙戦がスタートした。これまでの動きを見ると、各党の支持率の変化は非常に激しかった。要因の1つにはコロナ禍の影響があり、当初は現職メルケル首相が率いる与党第1党のキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)に有利に働いた。
だが、首相候補が出揃った今年春先になると、「刷新」を掲げた緑の党のベアボック共同党首が注目を集めて同党の支持率が上昇した。もともとドイツでも気候危機への意識の高まりから、緑の党の掲げる政策が支持される下地はあった。
ところが、緑の党はベアボック氏のスキャンダル(経歴詐称疑惑など)で失速する。代わってCDU/CSUが再浮上するが、CDU/CSUの首相候補であるラシェット党首の人気は盛り上がらず、(7月に発生した)洪水の被災地における談笑シーンが批判を浴び、支持率が再び低下した。
結果的に足下では、ショルツ党首(現財務相)の手堅さが評価され、現在CDU/CSUと大連立政権を組むドイツ社会民主党(SPD)の支持率が上昇、世論調査で首位に浮上してその差を広げている。この間、各党の支持率は党首のキャラクターで動いてきた面も大きく、これから投票日までどう変化していくかはなかなか読み切れない。
ハッキリ言えることは、今の状況では1党による単独政権はありえないということ。票が割れる結果として、かなりの確率で「3党連立」が必要となる。2党連立であれば政策などの協議が成立しやすい。例えばCDU/CSUと自由民主党(FDP)は最も実績のある組み合わせで政策の指向も近い。SPDと緑の党による左派寄りの2党連立でも妥協が比較的容易だろう。
だが、3党で連立政権を樹立しようとすると、政党間の政策の距離が広がるため、前回の総選挙後のように政権協議が決裂し、政権樹立までにかなりの時間がかかる可能性がある(前回2017年9月の総選挙では連立協議が難航し、新政権発足は翌年3月初めとなった)。
――選挙戦の主な争点は何ですか。
有権者の意識としてはコロナ問題もあるが、峠を越えてきた感がある。主要政党間の主張に目立った違いもない。そうした中、テレビ討論でもそうだったが、気候危機への取り組みが争点となっている。
ドイツでは今年、改正気候保護法が成立した。背景には、連邦憲法裁判所が従来の気候保護法について、温暖化ガス排出削減措置が不十分で、将来世代の自由権を侵害するとの理由で違憲とした経緯がある。気候危機が争点といっても、取り組みが次世代のための義務だという意識は国内に浸透しており、EUの目標である2050年よりも前に気候中立を実現する方針も主要政党間で一致している。
ただ、緑の党は、改正気候保護法で2045年とした気候中立化の達成時期を20年以内に大きく前倒しし、その実現のため炭素価格を引き上げるとともに、新築住宅への太陽光パネル設置義務化や2030年以降の内燃エンジン車の販売禁止など規制を強化する方針を掲げる。
一方、CDU/CSUのラシェット候補はテレビ討論で、規制を緩和し、投資とイノベーションを促すと違いを強調した。気候中立化の加速では一致していても、スピードや実現の手法には違いがある。
いとう・さゆり●1987年、早稲田大学政治経済学部卒業、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。2001年、ニッセイ基礎研究所入社。2017年7月から現職。2005年、早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。早稲⽥⼤学⼤学院商学研究科非常勤講師兼務(2015年度から)。⽇本EU学会理事(2017年度から)。近著に『沈まぬユーロ 多極化時代における20年目の挑戦』(共著、文眞堂)。
また、コロナ対策費の増大で、さすがのドイツ財政も悪化しており、今後の財政をどうするかでも主張に違いがある。財政均衡主義のCDU/CSUは、健全で強力な財政があったからコロナ危機に手厚い対応ができたとして、危機が一巡すれば「債務ブレーキ制度」に基づき、いち早く均衡回復と債務削減に向けて努力するのが次世代への責任というスタンスだ。
これに対しSPDは、危機後に急いで緊縮することは否定し、気候中立化など将来のための投資に積極的な姿勢をとる。CDU/CSUが増税を否定しているのに対して、SPDは高額所得者の所得税率引き上げや富裕税の復活、相続税改革などを通じた格差是正にも意欲を示す。
緑の党は、脱炭素化加速のための集中投資のため財政を積極活用すべきであり、「債務ブレーキ制度」も見直すべきだと主張している。CDU/CSUとの連立協議となると、この点が難しい問題となりそうだ。
アフガン難民対策は新政権の課題
――アフガニスタンの難民問題は争点になるでしょうか。
現状ではまだ難民問題が気候危機やコロナの問題を超えて有権者の関心事にはなっていない。ただドイツやEUは、アフガン難民が無秩序に欧州を目指すことは何としても防ぎたい。まずは、迫害リスクのある人々の退避の支援と、アフガン近隣諸国の難民受け入れに対する支援体制の拡充が最優先課題という点に異論は出にくい。
メルケル政権の支持がかつて失速した最大の原因が、(シリアなどからの)難民問題だった。アフガン難民もEUがまったく受け入れないというわけにはいかないが、域内でどう分担するかとなると見解の対立が生じる。ドイツの新政権は難民受け入れをめぐる合意形成に貢献する責任を負う。
――どのような連立政権のシナリオが有力でしょうか。
シナリオの順位付けをするのは非常に難しい。世論調査ではSPDが支持率第1位となるケースが増えており、「SPD+緑の党+アルファ」の3党連立という可能性が出てきている。ただ、このアルファが親ビジネスのFDPとなると、環境左派である緑の党と相容れない部分が大きい。
アルファが左翼党(Linke)で「左派3党連立」となる可能性もなくはない。SPDや緑の党もその可能性を否定していない。しかし、SPDはNATO(北大西洋条約機構)とEU(欧州連合)の肯定が前提とする一方、左翼党は軍事同盟であるNATOを支持しないと明言しており、決定的なイデオロギー対立がある。
一方、CDU/CSUとFDPの2党連立は、財政の考え方や企業の負担軽減、イノベーション重視の気候変動対策など方向性が一致しており、自然な組み合わせだ。しかし、過半数の議席に届かない可能性が高い。ここに方向性の違う緑の党が加わるという組み合わせは、前回の総選挙後の連立協議でも頓挫しているので現実化は難しい。
――CDU/CSUとSPDの連立政権が続く可能性はどうですか。
今回は過半数に届かない可能性がある。しかも、過去16年のうち12年が大連立政権だったことで、有権者の選択の意義が低下し、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭を許すなど弊害が出ている。本来避けるべきシナリオだ。SPDは、少なくともジュニアパートナーとして大連立に加わることは望まないだろう。
緑の党が躍進すれば対中強硬化も
――政策の変化度が大きいというシナリオはやはり左派連立でしょうか。
とくに緑の党の影響力が強い左派連合になった場合には、財政スタンスの変化が注目される。欧州債務危機を経て、EUの財政ルールはドイツ主導で緊縮バイアスが強い方向に修正された。成長のための投資が足りない構造的要因ともいわれる。緑の党の影響力が強まれば、ドイツがEUの財政ルールの成長志向への修正を主導することも考えられる。
また、緑の党は中国、ロシアに対して現政権よりも厳しいスタンスだ。メルケル政権が進めたロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」の支持撤回を主張、中国の人権侵害には制裁も辞さない構えだ。
ただし、緑の党が第1党になるのは難しいだろう。緑の党の支持は旧東ドイツ地域では弱い。ベアボック氏の首相候補としての適格性も疑問視される。緑の党が連立政権の一角に加わり、影響力を発揮する可能性は高いが、連立協議によって政策はより現実的で穏健なものに落ち着くだろう。
――ドイツ経済は中国依存度が高まっています。
2020年のドイツの輸出額を見ても、対中国と対アメリカが同程度で、EU域外では2大市場となっている。フォルクスワーゲンなどドイツの主要自動車メーカーの中国での販売台数は全世界の3~4割を占めるほどだ。メルケル政権が進めた政策における最大の特徴の1つが、中国、ロシアとの経済関係の強化だった。
ただ対中関係については、中国の国家資本主義の世界的影響力が増し、権威主義的傾向が強まるにつれ、依存を高めすぎたという認識も広がっている。産業界には、技術移転の強要や補助金による競争条件の歪み、市場アクセスの不均衡への不満もある。
メルケル首相がEU議長国として中国との「包括投資協定(CAI)」の取りまとめに尽力したのも、こうした問題の改善の糸口にするためだった。CAIは2019年12月に大枠合意したが、EUでの批准手続きは人権問題に厳しい立場をとる欧州議会により停止されている。人権侵害の批判に中国は妥協しない構えで、膠着打開のメドは立っていない。
――前回の総選挙で旧東ドイツ中心に勢力を広げ、野党第1党になった極右政党AfDの動きはどうですか。
支持はそれなりに固く、今回もある程度の議席を取りそうだ。ただ、どの主要政党もAfDとは連立を組まない方針であり、政策への直接的影響力は限定される。
前政権の改革の恩恵を受けたメルケル時代
――メルケル政権を総括して、どう評価していますか。
ドイツ経済はユーロ危機など厳しい外部環境の中でも、相対的に良好なパフォーマンスを続けてきた。失業率や財政は、メルケル政権の前に比べて大きく改善している。
だが、雇用や財政の改善に道筋をつけたのは、シュレーダー政権期の社会保障と労働市場の一体改革「ハルツ改革」にある。メルケル政権はその改革の恩恵を受け、さらに競争力の低い南欧などと共有する単一通貨ユーロの割安化に支えられ、中国の成長を取り込むことに成功した。
しかし、ユーロ圏内での格差拡大に歯止めがかからなければ、ユーロの持続可能性への懸念が再燃するだろう。経済安全保障の観点からも、中国への過度の依存を見直す必要に迫られている。ドイツ経済は自動車を中心とする輸出産業が牽引してきたが、脱炭素化の実現には、ものづくりのあり方も変わらざるをえない。欧州での独り勝ちを支えた圏内格差、中国依存、ビジネスモデルが修正を迫られており、次期政権はこれらの課題に向き合わなければならない。
――メルケル氏の引退がEUへ与える影響はどうですか。
EU統合はメルケル氏の時代以前からドイツとフランスが引っ張ってきた。メルケル時代になって世界金融危機、ユーロ危機、難民危機、コロナ危機という4つの危機があり、EUの通常の枠組みを超えた首脳レベルの意思決定が必要とされ、その中でメルケル氏は存在感を発揮してきた。今後の新たな問題を解決していくうえで、EUの調整役として老練で影響力のあるメルケル氏がいなくなるのは不安材料ではある。
ただ、グリーン化など政策の大きな方向性はEUの仕組みの中ですでに定まっており、何か制度上の大きな問題が生じることにはならないだろう。EUは今、米中対立の狭間で埋没しないよう戦略的自立を模索している。これまでとは違った発想を持つドイツ新政権の誕生が、銀行同盟の完成や財政統合と言ったユーロの安定に必要な改革の前進につながるなど、EUの戦略的自立によい結果をもたらすかもしれない。
中国傾斜からインド・太平洋重視へ
――ドイツ総選挙の日本にとっての意味合いは。
緑の党が新政権に入ればグリーン化が加速すると考える日本企業が多いと思うが、たとえ入らないとしても国として加速していく方向性は変わらない。スピードや手法の違いだということをまず念頭におくべきだ。
また、メルケル政権の中国傾斜の軌道修正は始まりつつあったが、選挙後はより明確になる可能性がある。メルケル時代には中国に比べて日本が軽視されていると感じる日本の企業や政策関係者が多かったが、今後のドイツはアジアにおいてインド・太平洋を重視することでバランスをとるようになり、日本との関係が近くなる可能性がある。ドイツ外交における日本の存在感が高まり、協力関係が強化されることになるだろう。
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いやはやドイツもいろんな政党が跋扈していて纏められる首相が出てくるのか心配だ。日本も優柔不断な与党の自民党総裁選が始まっているので誰が総裁に為っても世界と日本の舵取りは大変だ。
メルケル首相は東ドイツ出身で中國とはある意味親和性があるので日本同様、中國の経済発展に大きく寄与した。
「俺っち」が見ていても、両国とも人権を顧みて国際連合の場ではジェノサイド条約が批准されている国が多いのにも拘らずドイツのジェノサイドには敏感な問題なのであまり話題に為っていると聞かないけれど如何なんでしょうね。
日本では中國に取り込まれている与党や野党の議員が多い事も国会のジェノサイド条約に関しては約150ヶ国が批准するが、日本は国内法の未整備などを理由に締結していない。
世界で人権問題で発言していたのが国際連盟で言っていたのが日本ですよ、
国際連合で好き勝手な覇権を喚いている中國に物申せない自民党には今託せる議員はいないのか?
【メルケル政権の中國傾斜の軌道修正は始まりつつあったが、選挙後はより明確になる可能性がある。メルケル時代には中国に比べて日本が軽視されていると感じる日本の企業や政策関係者が多かったが、今後のドイツはアジアにおいてインド・太平洋を重視することでバランスをとるようになり、日本との関係が近くなる可能性がある。ドイツ外交における日本の存在感が高まり、協力関係が強化されることになるだろう】との結論が最後で言っているのが日本の救いに為ればいいですが?
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