先日の29日の産経新聞一面で「人権外交は限界 制裁しない日本」との記事が在りました。
日本の外務省を人権問題にどの様な見解を発信しているのか覗いてみました。
見事に最初の項目で「人権及び基本的自由は普遍的価値であること。また、各国の人権状況は国際社会の正当な関心事項であって、かかる関心は内政干渉と捉えるべきではないこと」と発信している事が何故中國に対して茂木外務大臣の発言の中に無いのか考え込んでしまう。
過去のネットでは幾らでも懸念を見る事が出来ますが、この様な事案報告書をチェックする外務官僚から省内に於いても吟味して省内意見に反映させてもいいと思います。日本国として政府が中國に対して人権問題で国外の中國が行っているこの問題で法務省の解釈も、制度関係者の意見ばかり気にしていては、拘(こだわ)る必要がない。
外務省や関係省庁にも毅然とした発言をする事では無いだろうか‼。
NEWS
「中国ウイグル族弾圧」で行われる苛烈な「強制労働」。日本企業も関与
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f7676fdc5b6374c558b9c08
世界から激しい批判を受けている中国の深刻な人権侵害の問題の一つ、“ウイグル族への弾圧”。実はこの弾圧に、我々日本人も関わっていることをご存じだろうか。
新潮社フォーサイト
BBC
NEWS JAPAN公式HPより
「国土」や「国民」は自然発生的に生み出されるのではなく、為政者が創り出すストーリーに基づいて形成される。
中国政府が盛んに主張する「中華民族」も例にもれず、
「中国は多民族だが古代より連綿として引き継がれる《中華民族》という一体的な民族=国民観念を有する」
という政府の説明や、歴代王朝と現代の国民国家を同一視する態度には、現政権の意図が明らかに反映されている。
少数民族自治区や香港、マカオ、台湾を含む「中国」という国土において、「中華民族」が団結して国家建設に励むことこそが、中国共産党政権が理想とする姿だ。
そうした理想像を念頭に行われているマイノリティへの人権侵害や差別の多くが、中国政府のみならず、少なからぬ中国の人々にも「正当な行為」と認識されていることに、我々は注意を払う必要がある。人権や民主主義、自由、平和、他者への尊重など、人間が人間らしく生きるために重要な概念や、基本的な価値意識に関して、中国共産党は独自の論理を展開し、日本を含む民主主義国と、それらを共有できない状況が一層顕著になっているからだ。
そのため、言論・思想に対する統制、官製メディアやイデオロギー教育を通じたプロパガンダが徹底的に行われ、中国共産党の論理は中国社会に浸透し、活動家や弁護士、宗教リーダー、リベラル知識人、市民活動や知的活動を支援する実業家など、本来、社会変革に重要な役割を果たすべき人物が弾圧の対象となり、AI(人工知能)やビッグデータを駆使した監視の強化によって、恐怖政治が進行している。
そんな中、国民は恐怖を前に、互いに疑心暗鬼になり、牽制し合い、不利益を被ったり、疑いを持たれたりしないように、自らの立ち位置を調整することが当たり前になっていくのである。
国際社会において激しい批判を受けているにもかかわらず、中国国内では「正当な行為」として進行している深刻な人権侵害の一例が、ウイグル族への弾圧だ。
そして後述するが、実はこの弾圧に、我々日本人も関わっていることをご存じだろうか。
形骸化する民族区域自治政策
ウイグル族に対する弾圧の実態を分析する前に、中国の国家建設・国民統合における民族政策の位置づけを簡単に見ておきたい。
中国大陸において、統治機構の整備(国家建設)と国民集団の育成(国民統合)が、本格的に始まったのは、1911年の辛亥革命以降である。
中華民国期に「五族共和論」(満州族、漢族、モンゴル族、イスラム系民族、チベット族の五族団結による国家統一)が提起され、それが次第に漢族への同化主義的色彩を帯びて、1920年代の終わりには、少数民族は「中華民族」の氏族に過ぎないとされてきた。他方、中国共産党は中華人民共和国建設以前から、国民統合を民族の平等と団結によって実現するとしている。
現在、中華人民共和国では、省レベルで5つの民族自治区が、そして州以下のレベルにも民族自治州(30州)、民族自治県(120県)、民族自治郷(1173郷)が設けられ、少数民族の自治権が認められている。
民族別人口比率に基づき、民族自治区の範囲内においては、代表権や自治権が付与されるというのが、中国の民族区域自治政策のエッセンスである。そして少数民族には、少数民族幹部を養成する権利、首長や人民代表に少数民族を当てる権利、自らの文字や言語を使用する権利、民族教育を実施する権利などが与えられている。
しかし昨今、民族区域自治の理念は実践されていない。まず、チベット自治区(チベット族90%、漢族8%)をのぞいて、少数民族がマジョリティである民族自治区は存在しない。
新疆ウイグル自治区では、1949年に全区人口の約76%を占めていたウイグル族が、2015年には47%にまで減少した。一方、1950年代に同自治区で数%だった漢族は、2015年には36%にまで上昇した。移住で漢族が増加したため、現在では漢族中心の経済開発が進められている。
また、改革開放期に推進されていた少数民族語と中国語(漢語)のバイリンガル教育も、中国語を中心とした学校教育に転換している。
宗教活動も政府機関が厳格に管理し、共産党組織の「統一戦線工作」を通じた民族・宗教指導者への懐柔を積極的に行うようになった。こうした政府の“介入”は、ウイグル自治区に限ったことではない。
さらに、国境地帯が多く含まれる民族地区の管轄内には、国家安全保障上の戦略要地の安定を確保するため、軍隊や武装警察、各種の治安要員が常時大量に動員されている。
「断種ジェノサイド」も
民族区域自治政策が形骸化するなかで、2017年頃から特に、ウイグル族への弾圧が激しさを増している。日本ウイグル協会副会長のレテプ・アフメット氏は、
「著名な大学教授や実業家、作家や大学の学長など、ウイグル人社会を支えてきた文化人や経済人が一斉に姿を消すという悪夢の様な事態が生じています。
ウイグルに来たことがある人はご存知かと思いますが、文化がまったく違っているので、中国の一部とは思えないでしょう。だからこそ、近年、より強制的に“同化”させようとしているのでは」
と話す。驚くことに、「外国に家族がいる」「パスポートを申請したことがある」「外国を訪れたことがある」という理由だけで、収容施設に送られることもあるという
。
現在、新疆ウイグル自治区に入って調査や取材を行うことは難しいが、衛星写真や映像、内部文書の流出によって、厳しい弾圧の実態が明らかになっている。
2019年9月、後ろ手に手錠をかけられ、布で目隠しされた丸坊主の男性たちが、数百人の警察官に囲まれ、列車で移送されようとしている場面が動画で配信された。何者かがドローンを使って撮影したと見られる。
『BBC』の番組に出演した中国の劉暁明駐英大使は、スタジオでこの動画を見せられ、
「何の映像かわからない」
と繰り返していたが、専門家はウイグル族が拘留施設に送られる途中だと見ている。
トルコに逃れたウイグル族などから証言を集めた『BBC』によると、親が収容所に送られた子どもたちは、子ども専用の教育収容所に収容されているという。そこでは、中国語以外の言葉を話すと処罰される。
共産主義犠牲者記念財団の中国研究上級フェロー、エイドリアン・ゼンツ研究員は、
「新疆ウイグル自治区政府は、新たな世代を民族のルーツや宗教、固有の言葉から引き離し、育成しようとしている」
加えて、『CNN』が中国当局に確認したところ、ウイグルにおいて子宮内避妊具(IUD)の挿入率が急増していることがわかったが、これによって、ウイグル女性に対する大規模な避妊器具の装着や、不妊手術の強制も疑われている。
一人っ子政策が終わり、中国全体では2018年、IUD装着率は10万人あたり21人と減少した。しかし、新疆では逆に、10万人あたり約1000人と増加している。人口1000人当たりの出生数は、2017年に15.88人だったのが、2018年には10.69人に減少した。
これは自然の人口減少では到底説明がつかず、自治区政府は『CNN』の取材に対し、
「家族計画を全面的に実施したため」
と認めている。
ウイグルにだけ、特別な家族計画を実施する意図は何なのか。
米チュルク系民族弁護士協会会長のライハン・アサット氏、ラウル・ワレンバーグ人権センター法律顧問のヨナー・ダイアモンド氏は、
「『彼らの血筋を断て、彼らのルーツを壊せ、彼らの人脈を断ち切り、起源を破壊せよ』といった号令の下で、中国政府が行う組織的なウイグル人弾圧は、中国政府も批准している『ジェノサイド(集団虐殺)条約』が規定するジェノサイドのすべての項目に当てはまる」
と主張する。つまり、前出のゼンツ氏は、ウイグル族をターゲットに「断種ジェノサイド」が行われようとしていると、危惧しているのだ。
共産党への忠誠、中国語や政治思想も
米国務省が2019年6月に発表した世界各国の信教の自由に関する『年次報告書』(2018年度版)によると、2017年4月以降、中国政府は推計で少なくとも80万人、最大で200万人以上のウイグル族などイスラム教徒を拘束しているという。
さらに、最近問題になっているのは、拘留施設からアパレル産業や電子機器などの工場に移り、強制的に労働させられているウイグル族の存在だ。
「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」や米「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、内部協力者や中国を出国した拘留経験者から証言を集めている。それによると、
「工場に行かなければ拘留施設に逆戻りだ」
と脅迫され、長時間、低賃金あるいは無給という悪条件での労働を強いられたうえ、中国語や政治思想を学ばなければならず、イスラム教の信仰も禁じられていることなどが明らかになった。
例えば、現在海外にいる拘留経験者は、政府がトルコ、カザフスタン、アフガニスタンなど「敏感な国」に指定する26カ国のうち1国を訪ねたことで、「外国の思想」に晒されたと咎められ、地元の警察に15日間の教育研修への参加を求められた。それから彼女は夫と子どもと引き離されて、1年3カ月も拘留され、強制労働をさせられた。
拘留期間中、彼女は朝から共産党に忠誠を誓って共産党の歌を歌い、7分で朝食を取り、その後、45分の中国語の授業を受けていたという。クラスメートとの中国語を使用する会話の中では、自らが宗教を信仰していないことを明確にしなければならない。トイレでは2分以上過ごすと木の棒で叩かれる。昼は食事と30分の体操の後、共産党に対して批判的な思想を持っていないか、自らの過去を反省しているか、信仰を実践していないかを確認する質問を教員から受ける。夜、寮で就寝する際には、2人の女性が就寝前のお祈りをしていないかをチェックする――という過酷な生活を送っていた。
また、伊寧県の工業団地にある「伊犁卓萬服飾製造公司」の工場で手袋を作っていたという女性は、毎日、寮から3キロ離れたところにある工場兼再教育施設にバスで通っていた。CSISの研究チームが、Google Earthで工場の外にバスが待っているのを確認している。
この工場の警備員は、中華人民解放軍か警察の制服にも見える明るい青色のユニフォームを着て武装しており、
「6~8カ月の契約で、新疆の他の地域から送られてきた」
と不平を言っていたという。彼らは、工場が雇う警備員ではなく、政府が各地に派遣している人員のようだ。
この女性も共産党への忠誠を誓い、中国語を学ぶといったルーティンをこなし、携帯電話は定期的にチェックされていた。
工場で働く300人の労働者のうち、30人は拘留経験者で、そのうち4人は同じ拘留施設にいたという。女性は以前の仕事で月給3000元(約4万6400円)を得ていたが、この施設では毎日、8時から18時まで10時間働き、給与は最初の1カ月半に260元(約4000円)支払われただけで、そのあとは未払いだった。
この強制労働から逃げ出そうと、夫を通じて人権団体に連絡した女性は、警備員に携帯メッセージをチェックされ、警察に連行された。取り調べでは手錠をかけられ、冷水に頭をつけられるという暴行も繰り返された。
最終的にはカザフスタンへの出国が許されたが、工場や拘留施設で経験したことを話せば、カザフスタンの関係者や新疆の家族に被害が及ぶと警告されている。
新疆援助事業や貧困削減事業の一環
このように、ウイグル族の移住や労働が、彼らの意思を十分に確認することなく行われているにもかかわらず、関係当局はこれらを、新疆援助事業(援疆)や貧困削減事業の一環だとアピールしている。
中央政府は貧困撲滅を重要な目標に掲げているため、雇用創出がカウントできれば、地方政府の貧困削減事業の実績になる。労働者を受け入れ、職業訓練(思想教育)を担当した企業や仲介業者には、国から補助金が支給されているのだ。
新疆ウイグル自治区政府は2018~2023年、繊維産業で100万人を雇用する目標を掲げ、そのうち65万人は喀什(カシュガル)、和田(ホータン)、阿克蘇(アクス)など、新疆南部から雇用するとしている。そのノルマが高く設定されすぎているために、強制労働が加速しているという指摘もある。
さらに悪質なのは、
「厳しい管理の下で最低賃金以下の条件でも働く労働者」
などと、地方政府が企業向けに公告を出していることだ。CSISの研究チームが拘留経験者に聞いた話によると、年収は300~1300元(約4640~2万円)しかなかった。
ちなみに、同時期のウイグル自治区の1カ月あたりの最低賃金は1460~1820元(約2万2500~2万8100円)だった。阿克蘇市政府は企業向け資料に、
「4000人以上を2年間で集め、軍隊式の閉鎖された環境において、アパレルコースの研修を受けさせています」
「新疆の警察を24時間、工場に配置できます」
と、記していた。村民委員会がウイグル族の貧困家庭をリストアップし、国有企業や民間企業に「労働転移」(労働力の派遣)をしていたというのである。
浙江省と阿克蘇市は提携関係にあり、2020年6月、30に上る産業プロジェクトの契約を投資額151億400万元(約2335億円)で結んだ。2010年以来、両地のパートナーシップによって、9万6000人の雇用が創出された。
阿克蘇工業団地では、欧米大手アパレル企業のサプライヤーである「華孚時尚株式会社(以後、華孚)」が2019年までに50億元(約773億円)を投資し、6000人を雇用している。
華孚は工場の隣で研修施設を運営し、1人あたり1800元(約2万7800円)の補助金を受けて職業訓練を行っているが、過激思想を除去するためだとして、職業訓練には「再教育」(思想教育)が含まれている。政府は研修に対する補助だけでなく、減税、電気代や製品輸送コストの補助など、工業団地の企業に対してさまざまな優遇措置を提供する。
企業によるウイグル族の雇用は、自治区以外の地域でも行われている。2018年の自治区政府の告知によると、自治区内での余剰労働力の9カ月の雇用に対して、仲介業者に労働者1人あたり20元(約310円)の補助金が支給されるが、他の地域にまで労働者を斡旋すると金額が300元(約4640円)に跳ね上がる。
米政府は輸入禁止へ
このように、貧困削減と銘打ちながら、監視塔があり、有刺鉄線やレーザーが張り巡らされ、顔認証システムまで導入されている「軍事化管理」の工場で、低賃金か無給で働き、休日も家に帰れない労働者がいる一方で、職業訓練(再教育)を担当する企業には多額の補助金が注ぎ込まれているのだ。そのうえ、これらウイグル族労働者は民族団結の宣伝に利用されてもいる。
例えば、ASPIが調べた「青島泰光製靴有限公司(以後、泰光)」の莱西工場は、Nikeを主な顧客とし、年間700万足という製造能力を誇る。しかも、少数民族の雇用と管理におけるモデルケースとして高く評価されているのである。
9月14日、米政府は、新疆ウイグル自治区にある5つの事業体からの綿花や衣料品、ヘア製品、コンピューター製品などの輸入を禁止する方針を示した。米税関・国境警備局(CBP)に違反商品保留命令(WRO)の権限が与えられており、今回の措置は強制労働の疑いがある商品の輸入を停止するWROに基づく方針である。
日本企業とて例外ではない。ASPIの報告書によると、アップル、BMW、ギャップ、ファーウェイ、Nike、サムスン、フォルクスワーゲンなどに加えて、ソニー、ファーストリテイリング、TDK、三菱電機、日立、任天堂、パナソニック、シャープ、東芝など82のブランドが関わるサプライチェーンで、ウイグル族への強制労働が疑われている。
日本ウイグル協会が今年4月30日、こうした企業に、
「貴社の製品がウイグル人の強制労働によって製造されている可能性については、どのような見解をお持ちでしょうか」
など、5項目にわたる質問状を送付し、認定NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ(以下、HRN)」とともに、5月25日、回答状況を報告している。この回答については、HRNが「報告書」をホームページに掲載しているので、ご一読いただきたい。
それによると、多くの企業の回答は一般的な自社の人権方針、調達方針に限られており、調査を実施したと報告している企業についても、その内容は十分ではなかった。さらに、全く回答していない企業すらある。
同化政策は「正当な行為」
2019年6月、泰光の工場に「石榴籽夜校」(ざくろっ子夜間学校)が併設された。この校名は、
「ざくろのタネのように全ての民族は強固に団結しなければならない」
という習近平国家主席の言葉からつけられた。開校式には統一戦線工作部から役人が参加し、ウイグル族の労働者に、国民と国家の結束強化を呼びかけた。
地元メディアは、
「工場に来る前は貧しかったが今では月に2850元(約4万4000円)稼ぐことができる」
「青島に来て初めて宗教の過激主義の危険性がわかった。今は美しい生活が目の前に広がっている」
などと、ウイグル族労働者が語る感謝の言葉を報じている
。
新疆援助政策は表向き「貧困削減」だが、実際には、悪い労働条件で強制的にウイグル族を働かせ、企業や仲介業者には補助金を出すという収奪的な構造を持つことが、徐々に明らかになっている。こうした人権侵害は、当然、批判されるべきであるが、中国政府は「正当な行為」と捉え、プロパガンダによって貧困削減の効果や民族団結をアピールする。
中国で現在行われていることは、人間性を破壊し、人間関係に亀裂を生じさせる恐怖政治だ。そうしたなかで、人々は急速に判断能力を低下させている。社会の隅々にまで麻痺状態が広がった時には、ユダヤ人の絶滅を主導しようとしたナチスと同様、権力者による暴力が正当化されるだろう。
これまで述べたように、中国政府のウイグル族への対応は、多数派である漢族による同化政策の様相を帯びている。こうした構造の中に、日本企業を含む多くの国際的ブランドが関わっていることにも、我々は留意すべきであろう。
だからこそ、中国との関わりにおいて、日本は長期的視野を持って戦略的に関係を構築するべきだ。その際、人権や民主主義、自由など人間社会における重要かつ普遍的な概念を重視し、日本が貫くべき基本的理念をしっかり示すべきではないか。対立の要素を軽減する努力をしつつも、自らの筋を一本通せる国にならなければ、国際社会を率いることなど難しい。
折しも9月27日、習近平国家主席はウイグル族に対し、さらに思想や宗教の統制を徹底していくことを明確に示した。これを受けて日本は、加藤勝信官房長官が28日、
「国際社会での普遍的価値である自由や人権、法の支配について中国も含めて尊重されることが重要だと考えている」
と述べている。
世界各地で政治の不確実性が高まる中、我々は中国とどう向き合うべきか。首相が交代した今こそ、日本の姿勢が改めて問われている。
阿古智子 1971年大阪府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系Ph.D(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授などを経て、2013年より現職。主な著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告』(新潮選書)、『超大国・中国のゆくえ5―勃興する「民」』(新保敦子と共著、東京大学出版会)など。
記事の中で『彼らの血筋を断て、彼らのルーツを壊せ、彼らの人脈を断ち切り、起源を破壊せよ』といった号令の下で、中國政府が行う組織的なウイグル人弾圧は、中國政府も批准している『ジェノサイド(集団虐殺)条約』が規定するジェノサイドのすべての項目に当てはまる」。に照準を合わせて共産党の党是に合わせた法改正に国内だけでなく海外の軍事活動にも適応させている。
日本は、加藤勝信官房長官が28日、「国際社会での普遍的価値である自由や人権、法の支配について中国も含めて尊重されることが重要だと考えている」
と述べている。
「遵守尊重」して位は何処の国でもいえる。
はっきりした制裁も出来ない中國の市場が欲しい経団連と日本政府は弱虫な国だ。
中國がこれ等のジェノサイド発言がネットの良識ある大量の記事が読めます。中國の「ウイグルとチベット問題」を世界の約180の人権団体などが、中國における人権問題を理由にボイコットするよう各国首脳に呼び掛ける書簡を公開している事が「武漢ウイルス」とは違って東京五輪やパラリンピックとは違った視点で北京冬季オリンピックを世界に向けてボイコットを呼びかけて居ました。日本政府もこの位の行動を民主国家に呼び掛ける事は行ってもよい!
ニューストップ 国際 国際総合 ウイグル
新疆 弾圧 デマ 民族
新疆ウイグル弾圧、ジェノサイドか世紀のデマか
https://news.biglobe.ne.jp/international/0225/jbp_210225_6817432197.html
2月25日(木)6時0分 JBpress
(福島 香織:ジャーナリスト)
カナダ下院が2月22日、新疆ウイグル自治区で継続している民族迫害をジェノサイド(民族大量虐殺)と認定する動議を可決した。法的な拘束力こそないが、この結果は比較的親中派のトルドー大統領の今後の言動に大きく影響を与えるだろう。
ウイグル問題に「ジェノサイド」という言葉を使い始めたのは、おそらく共産主義犠牲者記念財団・中国研究上級フェローのドイツ学者、エイドリアン・ゼンツだった。今年(2021年)1月19日には、米トランプ政権のポンペオ国務長官が初めて米政権を代表してウイグル弾圧をジェノサイド、反人類的犯罪と認定した。その後を継いだバイデン政権のブリンケン国務長官も同様の立場を唱えた。
BBCはウイグル人権問題をかなり初期から取材し、強制収容所でウイグル女性に対する組織的なレイプ犯罪が行われていたという証言をスクープした。しかしBBCを擁する英国では、ボリス・ジョンソン首相がジェノサイド認定を“法律問題”だとして拒絶し、英国下院も中国を対象としたとみられるジェノサイド修正法案を否決した。
一方、フランスではジャーナリストで作家のマキシム・ヴィヴァスが『ウイグルフェイクニュースの終結』というノンフィクションを出版し、ウイグル迫害が全米民主基金会(NED)、世界ウイグル会議、ヒューマンライツウォッチなどの組織が連携して作り出したフェイクニュースだとし、100万人のウイグル人強制収容なども、それらの組織とCIAが関わる“陰謀論”を主張している。これを利用する形で、中国も「ウイグル迫害はフェイクニュース」という大宣伝を展開。2月4日の中国外交部定例記者会見では、汪文斌報道官がBBCの特ダネの強制収容所における組織的レイプ問題を告発した女性の顔写真を掲げながら、彼女の証言がウソであると激しい主張を展開した。
ウイグル問題は果たして虐殺かフェイクニュースか。この論争は、新型コロナパンデミックの責任は中国にあるのか否か、香港デモの弾圧は暴徒鎮圧なのか人権弾圧なのか、といったテーマと同様、米中の価値観戦争の延長にある。ウイグル問題の「虐殺論 VS. デマ論」の争点を少し整理しておきたい。
厳しいウイグル人管理システムを目の当たりに
この問題は、2014年から急速に増え始めたウイグル人、カザフ人ら“少数民族”の強制収容施設問題が発端となっている。
2018年からBBCやニューヨーク・タイムズが、厳しい当局の妨害に遭いながらも果敢な現地取材を行い、また施設からの生還者、その家族などの証言から裏をとり、強制収容施設が洗脳施設であり、ひどい拷問・虐待があったことを報じてきた。
またラジオ・フリー・アジアなどの在米独立系メディアのウイグル人記者たちも、電話やメッセージアプリを駆使してウイグル語で現地の官僚を含む関係者への取材を行い、かなり真相に近いところまで迫っている。内部通達書など証拠となる文字資料、写真資料も多く流出している。
私自身、在日ウイグル人留学生や社会人を取材し、2019年5月の段階でカシュガル、ウルムチを歩きまわり、1990年代や北京五輪前と比較すると格段に厳しいウイグル人管理・監視システムを目の当たりにしてきた。
自分の見聞と欧米メディアや研究者のリポートには齟齬がなく、少なくとも私は、新疆ウイグルで起きている人権弾圧は21世紀の「ジェノサイド」と呼んでよいレベルだと思っている。詳しくは拙著『ウイグル人に何が起きているのか』(PHP新書)にまとめてあるので参照いただきたい。
ウイグル弾圧がジェノサイドではないか、という論が出てきたのは、2020年6月、ドイツ学者のエイドリアン・ゼンツが発表したウイグル女性に対する強制避妊に関するリポートだろう。2014年からウイグル人女性の避妊手術件数が急増していることが明らかになり、2019年のウイグル人に対する避妊手術ノルマが過去20年間分に匹敵する多さであったことなども報告している。
ゼンツは、国連のジェノサイド条約に特定集団内の産児制限を集団虐殺と規定していることから、これはまぎれもないジェノサイドであり、20世紀のホロコーストに匹敵すると非難した。
中国側は「世紀のウソ」と激しく反論
こうした報道やリポートに対し、中国側は強く反論している。たとえば収容所は強制ではない職業訓練施設だと主張。過激思想に染まったウイグル人を正しい道に戻し、就職をサポートする施設だとし、さらにすでにほとんどの収容者が出所していると主張していた。
またゼンツの批判する強制避妊問題については、新疆社会科学院のデータをもとに、2017年まで新疆地域の出生率は1.5%前後で推移し、2018年は若干出生率が低下しているが中国全体と比べれば平均的で、ウイグル族の出生率は新疆地域住民の平均出生率より高く、ジェノサイドの指摘は全く当たらないとしている。2018年の全中国平均出生率は1.094%、新疆地域の平均出生率は1.069%、ウイグル人平均出生率は1.19%だったという。
さらに2020年12月には、フランスの著名ジャーナリスト、マキシム・ヴィヴァスが『ウイグルフェイクニュースの終結』という本を出版した。在フランスの中国大使館は、この本について「NED(全米民主主義基金)と世界ウイグル会議とヒューマンライツウォッチがいかに先入観に基づいて、切り貼り、断章取義の手段で“ジェノサイド”や“ウイグル人100万人の強制収容”といったウソやデマを作り上げて散布してきたかを明らかにしている」と絶賛。中国英字機関紙チャイナ・デイリーなども、この論法を使って、ウイグル人迫害は米国と西側メディアが作り上げたフェイクニュースだと国内外に発信している。
2月4日の中国外国部定例会見で汪文斌報道官は、BBCが報じた、新疆の強制収容所でウイグル女性に対する組織的レイプが行われていると証言した女性について、彼女の証言はウソだと断じ、「・・・彼女のウソは見破るには難しくない。BBCのような著名な国際メディアが裏を取らずに報道しウソやデマを散布する道具になってしまうとは」とBBCを嘲(あざけ)った。
2月19日には外交部の華春瑩報道官がウイグル弾圧報道について、世紀のウソと激しく反論。「ジェノサイド、強制労働など、徹頭徹尾、世紀のウソだ。・・・ジェノサイドはカナダ、米国、オーストラリアなどでかつて存在した事実だ。自国のそうした歴史と事実をたびたび無視してきているのに、他国に対しては無意味な非難を繰り返しているのは、おそらくその事実を思い起こさせないためだろう。・・・西側の一部の人たちは高みから人権を語りたがるが、いかなる時代も、いかなる国家も、いかなる社会も、まず保証すべき人権とは、生命権と健康権、各個人の価値と尊厳を守ることだ。衣食に困らず凍えることもなく生活が安定することが、正真正銘の基本的人権だ」と言い放った。
米国議員が北京五輪ボイコットを呼びかけ
中国が断固としてウイグル弾圧をウソ、フェイクニュースと言い張る理由は、1年後に北京冬季五輪が控えているからだろう。このウイグル問題を国際社会がジェノサイドと認めるようになれば、そんな国で平和とスポーツの祭典が行えるか、という話になる。
現に米国では下院のマイケル・ウォルツ議員(共和党)が2022年北京冬季五輪をボイコットすべきだという決議案を議会に提出した。すでにヒューマンライツウォッチなど世界180の人権組織が北京冬季五輪ボイコットを呼びかけているが、ウォルツ議員の決議案提出はこれに呼応するものだ。
決議案は、米国オリンピック委員会に、2022年北京冬季五輪を中国以外のどこか別の地域で行うよう国際オリンピック委員会(IOC)に提案するよう促し、もし提案がIOCに拒絶されたら、米国とその他の国は北京五輪に出場すべきではない、としている。
またウォルツは次のように中国を非難している。
「中国は組織的に新疆で暴行を継続し、香港市民の自由を踏みにじり続け、信仰の自由を残酷に迫害し、新型コロナ肺炎を世界に蔓延させた。中国が2022年の冬季五輪を行うことは不道徳であり、倫理を欠いた過ちである」
「(北京五輪に参加することは)独裁者を奨励する悪行だ」
「習近平の無謀な非人道的な行動を褒め称えるよりもさらに悪い」
「中国が民族と宗教を理由に数百万人の公民を監禁していることや、世界でパンデミックを引き起こしていることが正常な行為だと言っているに等しい」
中国の新疆における人権問題を長らく何度も批判してきたリック・スコット上院議員(共和党)も、早々にこの決議案を推している。「北京がすぐさま、この深刻かつ大量の人権侵害問題を解決しない限り、2022年冬季五輪は北京以外の国家で開催すべきだ」と主張している。英国、カナダ、オーストラリアなどの政治家もボイコットの可能性に言及。中国は、ボイコットすれば報復と息巻いているが内心気にしているようで、国連人権理事会で王毅外相は2月22日、ウイグル人弾圧に関する国連の調査団を受け入れる用意があると言明した。調査団が受け入れられたとして、ジェノサイドの疑惑が晴れるかどうかは別だが、北京冬季五輪開催の可否論は少なくとも調査結果を待つことになろう。
2008年北京五輪が中国にもたらしたもの
個人的に思い返すのは2008年北京夏季五輪のことだ。この時、私は北京駐在記者であった。その年の3月、チベットでは宗教弾圧に端を発するチベット騒乱が起き、チベット人、漢族ともに多数の死傷者を出した。私は、現地の旅行社に勤務するチベット人の知人から、最初の発端が僧侶や尼僧に対する虐待と暴力であったこと、チベットの若者が理由もなくかたっぱしから連行され、その後も行方不明になったことなどを、ショートメッセージでリアルタイムで聞いていた。
漢族の一般人がチベット暴徒に焼き殺されたという中国報道もある一方で、現地のチベット人に対する激しい弾圧の話を彼女たちから聞いた。またその後、外国メディアと情報交換をしていた青海日報の女性記者が逮捕され、性器に電気棒を突っ込まれるなどの拷問を受けたことも人づてに聞いていた。
現場に外国メディアは入れず、情報が制限される中で裏の取れない話も多い。ただ、現地チベット人と連絡を取り合っていた私に対して、その後、国家安全部から日本大使館を経由してきわめて厳しい警告があり、私はこの件に関する取材から外れることになった。
チベット騒乱を受け、2008年北京五輪では、人権意識が高い一部国家で聖火リレーの妨害が起きた。だが、ボイコットの機運は高まらなかった。私自身、北京五輪は成功してほしいと思っていた。なぜならまだその時、多少、中国に期待していたのだ。五輪のホストとして国際的な平和とスポーツの祭典を主催し、中国の普通の人々が国際社会の人々と交流し、西側社会の普遍的価値観に触れれば、中国人もきっと民主と自由と法治の意義を知り、価値観を共有できるようになるのではないか、と。周りの中国人知識人や中国人記者の中には、本気で中国が少しずつ民主と自由と法治を手に入れるようになると信じている人も少なくなかった。五輪を経験した独裁体制はその9年後に崩壊する、という五輪ジンクスなるものを信じたい気持ちもあった。
だが2008年北京五輪がもたらしたものは何だっただろうか。中国の抑え切れない大国意識、世界覇権への野望ではなかったか。振り返れば、あの時、北京五輪に反対しておくのが正しかったのではないか、と今は思う。
だから今回は、新疆地域の再教育施設・強制収容所を即刻すべて閉鎖しウイグル人弾圧に対して真摯な反省を見せ、香港の国家安全維持法を撤回しない限り、北京冬季五輪は第三国の代替地で行うか、さもなくば、ボイコットすべきだという立場を明確にしたい。
日本は隣人として中国と末永く付き合っていきたいと願うならば、むしろ五輪の成功よりも、中国で現在とらわれの身にあるウイグル人、人権派弁護士、ジャーナリストら「良心の囚人」や香港の自由を望んでほしい。冬季五輪の成功はおそらく、中国を今より残酷な国にするだけだろう。
筆者:福島 香織
中國冬季北京オリンピックは一年後の開催で「武漢ウイルス」問題とは違って人権問題なのでどの様な方向に行くのか?
日本の人権外交が岐路に立っている。中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権弾圧に対し米国や欧州連合(EU)などが制裁に踏み切る中、日本政府は深刻な懸念の表明にとどまる。フランスでは中國に毒されたジャーナリストで作家のマキシム・ヴィヴァスが『ウイグルフェイクニュースの終結』というノンフィクションを出版し、ウイグル迫害が全米民主基金会(NED)、世界ウイグル会議、ヒューマンライツウォッチなどの組織が連携して作り出したフェイクニュースだとし、100万人のウイグル人強制収容なども、それらの組織とCIAが関わる“陰謀論”を主張している。
自由な意見を言えるフランス国内?でジャーナリストと言われる人も本心なのか疑いますが日本で中國共産党の1997年に制定された国防法を盾に一声で1998年長野オリンピックの中國人留学生?が同じ日本留学生のチベット人への乱闘をどの様な思いで見られるのだろうか?
人権侵害を理由に制裁を行う法律の規定がなく、対話や協力を重視する外交を展開してきたからだが、与野党からは制裁や新法整備を求める声が上がり、対話路線をとるミャンマーでは国軍の弾圧が深刻化。その限界があらわになっている。
「わが国の制度は人権問題のみを直接の理由として制裁を実施する規定はない」
調整を行っている選手が期待している事を考えれば、大会をどの様に行うかを色々な角度で検討している関係者と、「武漢ウイルス」で日本の各スポーツ関係の大会で無観客を開催している経験をどの様な対策を行って行く事が必要かの経験がどの様な方法で取り込めるかを考えているのは良く判りますが、2015年に北京が22年冬季五輪の開催都市に選ばれて以来「習近平国家主席が基本的な自由と人権に対する容赦ない弾圧に及んでいる」と訴えた「ウイグルとチベット問題」を考えると、この様な懸念も当然の意見なのかもしれませんですね。
中國の冬季北京オリンピック開催を決行して強い中國を打ち出すのではないでしょうか、批判される事を覚悟しても開催でしょう。
「俺っち」にしても人権問題で中國の覇権をオリンピックに持ち込んで貰っては困るし、色んな状況を提示して貰わなくては納得できない!
この様な考えを中國としては旨く利用される様に思えて気に為りますが、どの様な結果に為るのか非常に気に為ります。
当時のソ連と同じ様に中國の同盟諸国で開催するのではないか?
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