2021年3月10日水曜日

習近平「人類運命共同体」の正体は「中国への隷属」

 昨年の年頭に世界が中國発祥の「武漢ウイルス」でニューヨーク州が感染者や死者が激増、ならば世界の諸国が国内での沈静化対策に手を打たなければ為らない、と同時に徹底的に自国に入れてはいけない。

その様に世界が中國で開催中の全人代に出席した習近平国家主席の発言に覇権を言葉を変えて言っていた。

 

自国の行動に「武漢ウイルス」で混沌としている事を逆手にとっての「人類運命共同体」と言っていました。

しかし心地よい言葉の真意は「自国への隷属」が読み取れると日本の安全保障に携わっていた「森 清勇氏」が解説しています。

この記事は昨年当時の記事ですが現在の中國が行っている覇権行動で声高に世界を恫喝する事がよく判ります。

その後の香港や、台湾パイナップル輸入禁止が日本の尖閣問題で「海警法」を意識している。





 2020.5.26(火)森 清勇 
 

習近平「人類運命共同体」の正体は「中国への隷属」

自由・人権、国家主権も認めない社会を世界は受け入れない

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60652

https://news.biglobe.ne.jp/economy/0526/jbp_200526_2272490607.html

 

アメリカ 中国 医療 安全保障

 



 

中国で開催中の全人代に出席した習近平国家主席(522日、写真:新華社/アフロ)

 

 中国の新型コロナウイルス(以下コロナウイルス)感染者は84081人、死者は4638人(2020524現在)である。

 

 しかし、武漢での発生状況を早くから掴み、世界保健機関(WHO)にも通報した台湾は中国の死者を25000人以上と報道し、米国に亡命している郭文貴氏は5万人と発言している。

 

 中国の発表に信頼性がないのはいつものことであるが、中国がコロナウイルスによる感染状況をWHOと結託して隠蔽したとなると世界に対する犯罪行為である。

 

 今も10万人の感染者が日々発生し、世界の感染者は530万人を超え、死者も34万人超となった。最大の被害国は米国で、160万人超が感染し、約10万人が死亡した。

 

121日前後の状況

 

 510日の英デイリーメールは、「習近平主席が121日、WHOのテドロス事務局長に電話をかけ、『コロナウイルスの人の間の伝染関連情報を統制し、パンデミックのような世界レベルの警告を延期してほしい』と要請した」というドイツ連邦情報局(BND)の諜報文書を独シュピーゲル紙が入手したと報じた。

 

 武漢市中心病院・南京路分院の救急科主任である艾芬(アイフェン)の手記(『文藝春秋』20205月号所収)によると、121日、通常の3倍にあたる1523人を診察し、655人の発熱患者が出て病棟は飽和して受け入れられない状態であった。

 

 124日のAFPは、感染者が830人を超え、少なくも26人が死亡と報じ、艾芬主任は27日の感染者は2829人で、死者は81人としている。

 

 120日に習近平主席は「ヒト―ヒト感染」を認め、「情報を隠すことなく全力で感染症対策に取り組むよう」指示した。そして23日午前2時に武漢市と湖北省の封鎖を決定し、8時間後の10時に封鎖を行う。

 

 この前後に病院建設を指示したとみられ、124日の中国国営メディアは「武漢市内に感染者に特化した病院を新設している」と、50台近くのショベルカーが展開し、路上にはダンプカーやミキサー車が延々と続いている写真と同時に報じている。

 

 22日に1000床の病院が完成、3日から患者を受け入れている。

 

 他方、WHO22日に会議を開き、23日テドロス局長は「中国で発生しているウイルスは世界的な脅威でない」として緊急事態宣言を見送る。

 

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 北京とジュネーブの時差を考慮すると、中国の封鎖決定とWHOの会議、封鎖実施と緊急事態宣言見送りの日にちの符節が合っている。

 

 前年12月中・下旬には「ヒト—ヒト感染」も「ウイルス性肺炎」も中心病院の医者グループでは共有されているが、厳しく口止めされている(艾芬女医が夫へ言えたのも習近平主席の指示が出た120日)。

 

 また、口止めされていた期間に中国は病院建設や都市封鎖を行うなど緊迫した状況にあるが、WHOの「中国で発生しているウイルスは世界的な脅威でない」は、中国以外の国々を「慢心」させるための声明のように思える。

 

 127日、テドロス事務局長は北京を訪問、翌28日習近平主席と会談。29日には「中国は主席の指導性発揮でコントロールしている」とのステートメントを発表。ここでも中国を評価している。

 

 しかし、2日後の31日には一転して「ウイルスは世界的な脅威」と認めるも、パンデミック認定はこの日から40日後の311日で、主席が局長に「警告延期」を依頼したとされる日からは50日後である。

 

 中国が国内対策を整斉と進めた後をWHOは追っかけているようにも見え、米国のドナルド・トランプ大統領が「WHOは〝中国の操り人形″〝中国寄り″だ」と発言するのも故なしとしないようである。

 

真相が明かされない国家の実体

 

 習近平主席は20135月、大学教師が学生と議論してはならない事項を「七不講(チーブジャン)」として示した。

 

 人権侵害、言論統制、政治活動の制限、選挙権の不在、(天安門事件などの)歴史的過ち、特権階級の独占・腐敗、党による司法の支配である。

 

 共産党独裁体制の矛盾や恥部に対して国民の目と口を塞ぐこと、すなわち「検閲」によって、共産党と指導者の無謬性を保証しようとするものだ。

 

 武漢の李文亮医師が「SARSウイルス、これは大変だ」という発言をチャット仲間と交わし市民に漏れたことで訓戒を受けことは、まさしく七不講の中国社会への適用であったのではないだろうか。

 

 武漢在住で新型コロナウイルスの感染状況を直に目にすることができた方方という作家が日記を日々公開していたが、「27日から223日の間には公開すらされず、3月に入ってからも日記を公開できない日が続いた」という。

 

 ちなみに27日は李文亮医師が死亡した日である。

 

 公開された日記から市民は厳しい状況を読み取り、高く評価していたことが次の2人の発言からもよく分かる。厳しい言論統制と公権力に順応する中国のメディアの現実を髣髴とさせる。

 

 戴教授は「武漢の閉鎖以降、武漢人が毎日まずしていることは方方日記を読むことです。武漢、中国は歴史上ないほどの大惨禍に遭遇しているにもかかわらず、テレビも新聞も何も報道しない。すでにみんなこの世にテレビや新聞があることすら忘れています。皆、方方日記だけを読んでいます」と書いた(224日戴氏のブログより、現在削除)。

 

 慎説(ハンドルネーム)は「ウイルスに関心を持つ多くの人々は、(方方日記が)現地の真実を伝えていると確信している。提灯記事を書くために派遣された300人のマスコミ関係者に声を失わせ、中国のすべての物書きに恥をかかせている」と述べている。

 

 方方の公開された日記は当局の検閲にかからない範囲でしかないわけで、本当の現実、より深刻な真実は外部に出ることはなかった。

 

空疎に聞こえる習近平演説

 

 米国が「感染拡大の原因は〝中国による隠蔽″」と批判するなか、51819日にWHOの年次総会が開かれた。

 

 コロナウイルスの蔓延の折柄、開幕式はビデオ会議形式で行われ、新華社によると習近平中国国家主席が次のような演説を行った。

 

「新型コロナウイルス感染症という第2次世界大戦以降で最も深刻な世界の公衆衛生突発事件を前に、各国の人々は勇敢に立ち向かい、共に見守り助け合い、困難を共に乗り越えてきた」

 

「中国は人を根本とし、生命第一を堅持しており、公開と透明、責任ある態度に終始してきた。終始人類運命共同体構築の理念を守り、自国民の生命と健康に責任を負うだけでなく、世界の公共衛生事業に対する責任も果たしてきた」

 

 世界中がコロナウイルスで苦悶に喘いでいるのを前にして、「よくも言えたものである」と感心するとともに嘆息せざるを得ない。

 

 続けて「新型コロナの感染はいまだ拡大を続けており、予防・抑制活動はなおも努力を要する。感染の予防・抑制に全力を挙げ、WHOに指導的役割を発揮させるべきである」と訴えた。

 

 さらに「アフリカ諸国への支援を拡大し、グローバルな公衆衛生ガバナンスを強め、経済・社会の発展を回復させ、国際協力を強化しなければならない」として、「人類衛生健康共同体」の構築を呼びかけ、次のような5項目の措置を発表した。

 

    今後2年間に20億ドルの国際援助(主に発展途上国)

    輸送と優先通関ルートの確立

    アフリカへの医療支援

    予防ワクチンの開発と発展途上国支援

    G20とともに最貧国の支援

 

 ①〜④は中国の「一帯一路」に疑問を持ち始めたアフリカや発展途上国を視野に入れた支援のテコ入れで、それをオブラートに包むために⑤のG20との協力を打ち出した感じである。

 

「生命第一」「公開と透明」などを強調した習近平主席の演説に対し、米国代表のアレックス・アザー保健福祉長官は「ある加盟国は新型ウイルスの発生を明らかに隠そうとして、透明性を確保する義務を怠って世界に甚大な被害を及ぼした」と、冷ややかな反論をした。

 

人類運命共同体の発想はどうして生まれたか

 

 習近平主席の「人類運命共同体」の発想は、「人民日報」元論説委員で体制内改革派と称される馬立誠氏の「対日新思考」にヒントを得ているようである。

 

 氏は2002年、江沢民の歴史認識で日中関係がぎくしゃくし、胡錦濤政権が発足した直後、日本だけを責める見方から距離を置き、客観的事実に即して対処するように訴えた。

 

 2003221日付「朝日新聞」は、「新思考の『対日論文』波紋」「中国共産党、賛否決めず」という見出しで、馬立誠氏が人民日報に発表した論文の概要を紹介した。

 

「国土が小さく資源の乏しい日本が世界第2位の経済的地位にあるのは、アジアの誇りと言える。日本は民主・法治体制を確立しており、『軍部』が専横する状況にはない。・・・中国は戦勝国であり大国であるという度量をもたねばならず、日本に厳しすぎてはならない」

 

「村山富一元首相や小泉純一郎首相は盧溝橋で哀悼の意を示し、侵略戦争への反省を表明した。日本の謝罪問題は解決しており、形式にこだわる必要はない。・・・新たな競合の場は経済と市場であり、両国民は狭い観念を克服して一体化に向けて進むべきだ」

 

 習近平政権になっていた2015年、馬立誠氏は中国側に寛容を求める第2の論文を発表する。

 

 そして、日中国交正常化45周年を前にした20179月、「『対日関係新思考』を三たび諭す」として、「人類愛で歴史の恨みを溶かす」(『中央公論』201710月号所収)を発表した。

 

 日中戦争時に両国の文筆家が書いた詩などには、相手の国土や国民を思いやる内容が見られる。こうした内容が「人類愛で恨みを溶かす」ということだと馬立誠氏は語る。

 

 また、習近平主席が20133月に「人類運命共同体」の構築を提唱したことを取り上げ、これこそが「人類愛の基礎」だという。

 

 そして、ヴォルテールや孔子、黒人指導者マンデラなどの先賢たちの論述は、「寛容、憐憫、同情、博愛、和解」が「人類の愛の基本元素」となり得ることを示しているという。

 

 4度目の新思考は日中国交正常化45周年を記念した会議で「日中の和解」がテーマになったことに触発されて書いたもので、「和解とは何か、いかに和解するか」(『中央公論』20188月号所収)である。

 

 天安門事件や両国の政治的ネックにも言及しながら、政治、経済、文化・芸術、旅行者の往来など、多肢にわたる分野で日中関係が改善していることを強調する。すなわち相互の民意の疎通で和解が一段と進むとしている。

 

おわりに

 

 チベットやウイグル、そして香港、さらには今次のコロナウイルス騒擾で、世界の多くの国が中国の人権や行動の異常に気づき始めた。

 

 しかし、開発途上国の指導者の中には中国の経済支援に目がくらみ、取り込まれていく国も多い。

 

 コロナウイルスでは米国が最大の被害国となり苦悶しているのを横目に、早々と克服したする中国は世界の救世主然として振る舞いつつある。

 

 ロシアでは中国の勢力圏の中での平和、すなわち「パクス・シニカ」の議論が活発になっているという(「日本経済新聞」2020524日)。

 

 自由や民主主義、法の支配を認めない中国が覇権を握った暁に、習近平主席が提唱する「人類運命共同体」や「人類衛生健康共同体」の構築が期待できるだろうか。

 

 一党独裁の中国が覇権国家となれば、「パクス・アメリカーナ」とは全く異なり、国家主権も認めない奴隷国家的な華夷秩序を強いられるかもしれない。

 

 その「くびき」を脱するには100300年の呻吟を要するに違いない。

 

 緊急事態宣言を発したが強制力を使わずに解除に向かった日本は世界の「ミステリー」となっている。

 

 日本の生き方は、米中が対決する中で民主主義陣営の一員として全体主義陣営をいかに民主体制に向かわせるかの旗振り役となることではないだろうか。

 

 中国の力を認めることに吝かであってはならない。しかし、その力、中でも経済力と技術力は、まずは国際社会の発展に還元して、地球に存在する人類の福祉に役立ててもらわなければならない。

 

 それには、香港市民と同様に中国人民の意識が肝要である。

 

 馬立誠氏の新思考には一党独裁と中国人民の関係についての言及がほとんどない。体制内改革派として言論の許容範囲を知り尽くし、新思考でその範囲を拡大しつつあるのであろうが、やはり「画竜点睛を欠く」感を免れない。

 

 習近平主席の「人類運命共同体」あるいは「人類衛生健康共同体」提唱が、覇権獲得の方便ではなく心底からの願いというならば、コロナウイルスの発生源調査での(疑問がもたれている研究所なども開放して)「率先協力」することが試金石となろう。

 

筆者:森 清勇

 

森 清勇のプロフィール



  

もり せいゆう 

防衛大学校卒(6期、陸上)、京都大学大学院修士課程修了(核融合専攻)、米陸軍武器学校上級課程留学、陸幕調査部調査3班長、方面武器隊長(東北方面隊)、北海道地区補給処副処長、平成6年陸将補で退官。

その後、(株)日本製鋼所顧問で10年間勤務3星槎大学非常勤講師(現在は退任)。

また、平成222010)年3月までの5年間にわたり、全国防衛協会連合会事務局で機関紙「防衛協会会報」を編集(『会報紹介』中の「ニュースの目」「この人に聞く」「内外の動き」「図書紹介」など執筆)

著書:『外務省の大罪』(単著)、『「国を守る」とはどういうことか』(共著)

 

この記事の習近平の太々(ふてぶて)しい顔は見たくも無いですが、中國を容認する日本の左翼や親日与党内議員と野党も本当に鬱陶しい。

世界が認識した年頭の習近平主席がWHOに発表をするな?‼と、この時にテドロス事務局長は北京で習近平主席と会って何と言っていたか知っていますか?

 

127日、テドロス事務局長は北京を訪問、翌28日習近平主席と会談。29日には「中國は主席の指導性発揮でコントロールしている」とのステートメントを発表。ここでも中國を評価している?

 

この事実に武漢での発生状況を早くから掴み、世界保健機関(WHO)にも通報した台湾は中國の死者を25000人以上と報道し、米国に亡命している郭文貴氏は5万人と発言している。

 

中國の発表に「信頼性がない」のはいつものことであるが、中国がコロナウイルスによる感染状況をWHOと結託して隠蔽したとなると世界に対する犯罪行為である。

 

中國の人権侵害、言論統制、政治活動の制限、選挙権の不在、(天安門事件などの)歴史的過ち、特権階級の独占・腐敗、党による司法の支配である。


 

「俺っち」と「父つぁん」の懸念を払拭して欲しい。

「武漢ウイルス」も同じ様に終息が有って欲しいし、期間が判らないが早く終息が有って欲しい

 

ピークに未だ終息の目安を世界は掴んで居ない。当然諸国が自国に「武漢ウイルス」が入って来ると大変ですよね。中國の軍事行動も隙をついて現在進行形の事実づくりに世界へ発信!

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