中國側の動きで「TPP11」に参加を考えているとの記事で「父つぁん」が心配している。申し入れは中國の参加で中國によってルールーを変えられる事の件を心配しているので、中國に参加を内政干渉との指摘については気にしてた。
米国の「バイデン大統領」は「TPP11」に参加と同時に中國の動きにも注意して於かないと不味(まず)いぞ!
TPP参加を目指す中国の狙いと日本の対応
中立・公平を貫く主審の姿勢が世界から信頼される条件
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63692
アメリカ 中国 政治 経済
中国はいまなぜTPP参加を目指すのか(写真は上海)
1.「双循環」の考え方が示すもの
昨年来、中国経済の将来ビジョンを示すキーワードとして「双循環」という表現が頻繁に用いられている。
それは国内経済循環を主として、国内経済および国際経済の2つの循環=「双循環」が相互に促進し合う形で新たな経済発展の局面を形成していく方向を目指すという経済政策運営の大方針を示している。
米国では多くの有識者が、「双循環」の実際の目的は、中国経済の海外経済への依存度を低下させ、国内市場中心の経済構造に転換することを目指していると解釈している。
すなわち、改革開放路線の変更である。
その背景には、米国からの貿易摩擦やデカップリングなどの圧力によって中国経済が動揺するのを防ぐことができる経済構造の構築を目指すそうとする中国政府の意図があると見られている。
一方、筆者は「双循環」という将来ビジョンは、従来からの改革開放路線の延長線上にあり、基本的には過去40年以上にわたって中国経済の発展を支えた基本方針を追認する概念であると理解している。
筆者と同じように理解する米国の中国専門家も少なくないはずである。
国内経済循環と国際経済循環のうち、前者が主導する形で経済発展を目指すという方針は2005年頃以降明確に示された。
それ以前の輸出・投資主導型成長モデルから内需主導型成長モデルへと目標が転換され、その後基本的にその方針は変更されていない。
すなわち、「双循環」は中国の経済成長モデルの転換を意味するものではなく、内需に力点を置きながら対外開放路線を重視する、これまでの経済発展モデルを保持する姿勢を示していると考えられる。
ただし、中国国内でも「双循環」の解釈の仕方には幅があり、前者のような見方もあれば、筆者と同じような見方もあるなど、人によって見方が異なっているのが実情である。
2.双循環への理解に違いが生じる背景
「双循環」が経済の海外依存度を低下させることを目指していると見る米国有識者と筆者の解釈の違いは、中国経済の基本構造に対する認識の違いが原因であると考えられる。
米国のドナルド・トランプ政権は、米国の歴代政権が1990年代以降、対中政策の基本方針として採用してきた「関与(engagement)」政策は何も成果を上げていないと批判した。
「関与」政策とは、中国をやや甘い条件でWTO(世界貿易機関)に参加させ、市場経済の恩恵を先に与え、そのメリットを実感させることにより、中国経済の市場化、さらには政治の民主化を促進するという考え方である。
2001年のWTO加盟に際して中国政府は、市場開放、国内経済の市場経済化、金融自由化等を推進すると約束しながら、何も変わらなかったと、トランプ政権は主張した。
その認識を前提に、中国の公約違反を是正させることを大義名分として、中国に対して厳しい貿易・投資摩擦を仕かけた。
そうしたトランプ政権寄りの認識に立てば、中国政府は引き続き市場経済化を拒否し、国家資本主義の路線を歩もうとしていると理解するのが自然である。
その延長線上の概念として「双循環」を位置付ければ、これが改革開放路線を目指すものではなく、米国の圧力から身を守るための政策方針であるという解釈になるのは理解しやすい。
しかし、米国の中国専門家の中には筆者と同様にこうしたトランプ政権の主張に反対する立場の専門家も多い。
米国内の反中感情に基づく対中強硬論に対して、中国専門家グループが、昨年7月、ワシントンポストに一つの意見書を発表し、米国を代表する元政府高官、国際政治学者ら100人以上がこれに賛同して署名した。
そこに込められた重要なメッセージは、米国政府が中国に対して行ってきた「関与(engagement)」は失敗ではなく、中国経済に一定の変化をもたらす成果を上げたということである。
(この点に関する詳細は、筆者の米国欧州オンライン面談報告「大統領選挙下の米中関係と選挙後の展望」https://cigs.canon/uploads/2020/10/17b7e67221ca9005c5b47e0e25e66da40bde58a0.pdf (cigs.canon)p.4~5を参照)。
筆者もこの認識を共有している。この前提に立てば、「双循環」が、改革開放路線を変更し、海外経済への依存度を低下させることを目指しているという解釈には賛成できないことになる。
中国政府の経済政策責任者らの真意もこちらにあると筆者は理解している。
3.習主席によるTPP参加検討表明の意図
2020年11月20日、APECアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場において、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の成立直後というタイミングで、習近平主席が環太平洋経済連携協定(TPP11)への参加を積極的に検討する意向を表明した。
中国のTPP参加については、2018年初頃には中国政府内部で検討をすべきであるとの議論が対外開放や市場経済化の推進を重視する一部の部門で出始めていた。
2019年に入ると、政府関係部門の間で横断的にTPP参加について検討する動きが広がった。
中国がTPPへの参加に積極的に取り組む姿勢を表明したのは、こうした政府内部の検討を踏まえた改革開放路線重視の方針に基づいていると理解することができる。
習近平主席がこのタイミングで意向表明を行ったのは、米国がバイデン政権の下でTPPに戻ってくる可能性があり、中国としてはその前に参加しておかないと、参加条件を厳しく設定され、長期にわたって参加が難しくなることを懸念しているためと見られている。
この間、米国議会は米国政府が自由貿易を促進してきたことが米国労働者の雇用機会を奪ったとの立場から、自由貿易を促進する政策に強く反対している。
このため、今後少なくとも2~3年は米国のTPP復帰はあり得ないと見られている。中国政府はその時間を利用して、TPP参加交渉を円滑に進めたいと考えていると推察される。
いずれにせよ、中国政府はさらなる自由貿易体制の強化を目指しており、そのために必要となる国内経済システムの改革を推進することにより、内外両面において経済基盤の強化を図ろうとしていると筆者は見ている。
これは自由貿易を重視する日本や欧州諸国などにとって歓迎すべき方針だ。
中国政府がそこまで改革を急ぐ理由は何か。それは高度成長期の安定した経済状態を保持できる期間が残りわずかになっているからである.
中国がTPPに参加するためには、国有企業改革、知的財産権保護強化、補助金削減、関税引き下げなどクリアしなければならない難題が多い。
これらの課題をクリアするためには既得権益層にとって様々な痛みを伴う改革が必要となる。
もし経済状況が不安定な場合には、こうしたリスクをとることに反対する意見が強まり、実行しにくくなるのは明らかである。
2020年代の後半には少子高齢化の加速、都市化のスローダウン、大型インフラ建設の減少などを背景に高度成長時代の終焉に直面することが予想されている。
いま経済構造改革を先送りすれば、経済全体の効率の改善が遅れ、経済成長が低下する不安定な局面でより多くのリスクを抱えることになる。
そうした事態を回避するため、高度成長が続いている今のうちに改革を進め、自由貿易体制に適合した効率的かつ安定した経済構造を確立しておくことが急務となっている。
以上のような長期的な視点からの政策判断に基づいて、中国政府がTPP参加に積極的に取り組もうとしていると筆者は見ている。
中国政府の政策責任者は中国経済が直面する課題を短期・中期・長期に分けて前広に把握し、経済不安定化リスクを回避するために必要な各種対策を的確に実施してきた。
それが1980年代以降、40年以上の長期にわたって中国が安定的に高度経済成長を実現できた主因である。
中国の政策当局者はグローバル経済の予期せぬ変動や国内の様々な構造問題等に直面しながら、中国経済のリスクを慎重に見極め、事前に回避する政策努力を積み上げてきた。
中国経済の巨大な規模や複雑な経済社会構造を考慮すれば、これまで中国の経済発展の基盤を支えてきた改革開放路線とそれに基づいて緻密に積み上げてきた政策運営システムを突然変更することは考えにくい。
不安定化リスクが大きすぎるからである。
これまでの経済発展と政策運営の成果を今後も引き続き生かせるよう経済基盤を総合的に整備していくことを目指すはずである。
中国政府はこうした判断に基づいて、自由貿易体制の強化とそのために必要とされる国内構造改革を推進していくため、TPP参加を選択していると見るべきであろう。
4.日本としての対応
中国がTPPへの参加を日本に対して打診してきた場合、日本としては米国との関係を慎重に考慮しながら対応することが必要となる。
その際に重要となるのは、日本が世界の自由貿易体制の維持・拡充に向けて最大限の努力を継続するという確固たる理念を土台として、中立・公平な立場からそれと整合的な具体策を実施することである。
日本は戦後、米国の強力なサポートを受けながら、自由貿易体制の整備に貢献し続け、グローバルな自由貿易システムの構築を目指してきた。その延長線上に生まれたのがTPP11である。
残念ながら、米国はトランプ政権成立後、その方針を大きく転換し、TPPを離脱したが、日本としてはそうした米国政府に追随せず、自由貿易体制重視路線を堅持し、TPPを成立させた。
これは日本が自らのリーダーシップで国際社会にとって重要な枠組みの構築を実現した戦後初めての成功事例である。
現在、日本はそのTPP参加者=プレイヤーにとって主審とも言える立場に立っている。
主審が誰からも信頼されるために必要な条件は、どのような状況にあっても中立・公平な立場から的確な判断を迅速に下すことである。
ジャッジの理由が分かりにくい場合には、毅然とした姿勢でその判断理由を分かりやすく説明することも重要である。
中国のTPP参加を審査するに際して、日本は中国寄りでも米国寄りでもない中立・公平な立場から、世界の自由貿易体制の維持・拡充にとって最も望ましいと考えられる判断基準に基づいて誠実に判断し、中国と交渉する姿勢が必要である。
その際に米国の圧力に迎合して条件を厳しく設定したり、中国への外交的配慮により条件を甘くしたりすれば、日本への信頼が失われ、日本を主審の立場から追い出す動きが表面化するはずである。
それは日本にとって戦後最大の外交上の成果であるTPP成立のリーダーシップに対する世界各国からの高い評価を台無しにする。
上記の中立・公平な立場をとることは、長期的には米国からの信頼を得ることになる。
米国はトランプ政権の影響により、足許は自由貿易推進に消極的な立場をとっているが、米国内の有識者の多くは引き続き自由貿易体制の維持・拡充を強く支持している。
日本が短期的に米国の外交方針と一致しない立場をとっても、自由貿易推進という確固たる理念を堅持する姿勢を貫くことは、中長期的には米国の有識者から日本に対する信頼を高めることになる。
のみならず、世界各国からも米国追随一辺倒ではない日本の姿勢が信頼され、それが国際社会や米国に対する発言力の増大にもつながる。
一方、中国に対しても公平・中立な姿勢を貫くことは、中国にとって健全な自由貿易体制の構築および国内構造改革の推進にとってプラスである。
以上のような考え方に基づいて、米中両国のみならず、世界各国から信頼される主審として、日本が引き続き自由貿易体制の維持・拡充のために重要な役割を果たすことを期待したい。
今迄は、残念ながら、米国はトランプ政権成立後、その方針を大きく転換し、TPPを離脱したが、日本としてはそうした米国政府に追随せず、自由貿易体制重視路線を堅持し、TPPを成立させた。習近平主席がこのタイミングで意向表明を行ったのは、米国がバイデン政権の下でTPPに戻ってくる可能性があり、中國としてはその前に参加しておかないと、参加条件を厳しく設定され、長期にわたって参加が難しくなることを懸念しているためと見られている。このTPP11を纏めた現在、日本はそのTPP参加者=プレイヤーにとって主審とも言える立場に立っている。この時に中國が米国の対応をTPPに復帰が自国に不利になっては拙(まず)いと捉(とら)えても不思議では有りません。
習近平主席がこのタイミングで意向表明を行ったのは、米国がバイデン政権の下でTPPに戻ってくる可能性があり、中国としてはその前に参加しておかないと、参加条件を厳しく設定され、長期にわたって参加が難しくなることを懸念しているためと見られている。
この間、米国議会は米国政府が自由貿易を促進してきたことが米国労働者の雇用機会を奪ったとの立場から、自由貿易を促進する政策に強く反対している。
このため、今後少なくとも2~3年は米国のTPP復帰はあり得ないと見られている。中国政府はその時間を利用して、TPP参加交渉を円滑に進めたいと考えていると推察される。
米国の動きをこの様に捉えていますが、「父つぁん」としては本当に2~3年もTPPに参加をしなくても、と「バイデン大統領」が考えているだろうか?
米国のトランプ大統領が離脱した世界保健機構のWHO復帰を新大統領になる「バイデン大統領」が表明して居る事を見て中國がTPP11に参加して自国に有利?なルールを飲ませなければ習近平主席の頭の中に有るのでは無いのか?
日本はそのTPP11プレイヤーにとって主審とも言える立場に立っていたので日本の態度にも注目して於きたい‼次の記事は中國の市場に「武漢ウイルス」問題が有っても日本企業の垂涎の的になっている様で何故?と同時に危機管理を聞いてみたい。
コロナでも日本企業が中国から撤退しない理由
政府の国内回帰支援補助金も中国ビジネス拡大に積極活用
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63294
中国 経営 経済
中国はいまなお高度経済成長を続けている(写真は北京の夜景)
日本政府の生産拠点国内回帰支援策の衝撃
日本政府は本年4月、新型コロナウイルス感染症拡大に対する緊急経済対策として海外生産拠点の国内回帰およびASEAN(東南アジア諸国連合)などへの生産拠点多元化を支援する補助金支給策を発表した。
予算規模としては国内回帰向けに2200億円、生産拠点多元化向けに235億円がそれぞれ計上された。
これに対して、6月下旬および7月下旬の2回に分けて合計 1700 件以上の応募があり、とくに2回目は補助金予定額1600億円に対して10倍以上の応募があった。
この数字が日本国内で大きく報じられ、多くの日本企業が中国市場からの撤退あるいは事業縮小を計画しているとの見方が広がった。
この報道の衝撃は大きかった。
4月の本政策発表直後から、中国の政府内外のエコノミスト、中国系メディアなどはこの政策によって多くの日本企業が中国国内の生産拠点を日本やASEANに移転させるのではないかとの懸念を抱き、筆者も多方面から繰り返し質問を受けた。
日本企業の動向に注目したのは中国系組織のみならず、欧米諸国からの質問も多かった。
つい最近も日本、中国、米国でのオンライン上の講演や面談の場で、この政策の影響により日本企業が中国市場から撤退しようとしているのではないかとの質問を受けた。
日本企業の投資動向への影響はほぼ皆無
以上のように多くの方々から質問を受けたこともあって、筆者自身も4月以降つい最近に至るまで、機会あるごとに日本企業の対中投資動向に詳しい専門家や中国に進出している日本企業の経営者の方々に投資動向の実態に関する質問を繰り返した。
そこから得られた結論は、上記政策による日本企業の対中投資姿勢への影響はほとんどないということである。
この実情を最も明確に説明してくれたのは日本企業の対中投資動向の全体像を正確に把握している日系メガバンクの幹部だった。
それも1行だけではなく、2行の幹部がほぼ同じ表現で次のように答えた。
「この政策の影響で対中投資姿勢を変えた日本企業はほぼ皆無である」
この結論は2つの事実によって裏づけられている。
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日本はそのTPP11プレイヤーにとって主審とも言える立場に立っていたので日本の態度にも注目して於きたい‼次の記事は中國の市場に「武漢ウイルス」問題が有っても日本企業の垂涎の的になっている様で何故?と同時に危機管理を聞いてみたい。
第1に、応募した企業数の少なさである。
中国に進出している日本企業の総数は3万3000社と言われている。それとの比較では、上述の補助金応募企業総数1700社あまりという数は全体の5%強に過ぎない。
この割合はジェトロが毎年行っている中国進出日本企業向けアンケートにおいて、中国事業の縮小、第三国への移転あるいは撤退を計画していると回答した企業の割合とほぼ一致する(17年7.4%、18年6.6%、19年6.3%)。
こうした統計データから見て、上記応募企業数は従来から中国事業に消極的だった企業の比率とほぼ同程度の数であると理解することができる。
第2に、応募した企業の補助金使用目的である。
上記のメガバンク幹部や日本企業の経営者などによれば、補助金に応募した日本企業の主な目的は事業全体の縮小・撤退ではなく、むしろ積極的な中国ビジネス展開に向けた事業再編だそうである。
中国国内の市場競争は厳しく、中国地場企業の技術力向上のスピードは分野によっては驚くほど速い。
また、欧米企業も中国地場企業との対抗上、採算悪化を覚悟した値引き販売戦略を採用し、製品の市場価格が急速かつ大幅に低下することも多い。
こうした事情などを背景に日本企業が市場開拓に取り組んでいる様々な事業分野の一部が先行きも採算の改善が難しいと判断される場合には、その事業の縮小・撤退を検討せざるを得なくなる。
しかし、これは当該企業の対中投資姿勢の消極化を意味するものではなく、市場ニーズに適合した重点戦略分野の調整に過ぎない。
進出済みの多くの事業分野のうち、一部では縮小・撤退し、別の分野では事業拡大・新規参入を検討するケースが一般的である。
こうした企業が、今回の日本政府の国内回帰支援の補助金施策を事業再編に好都合な手段として積極的に活用した事例が多く含まれているのが実情である。
政府が本来意図した活用方法とは趣を異にするものであるが、これによって日本企業の対中投資の事業再編が円滑に進み、さらなる積極的な対中投資を支援する効果が期待できる。
中国で積極的にビジネスを展開している企業は日本企業の中でもグローバルな競争力を備えた優良企業ばかりである。
そうした企業の中国事業が順調に拡大すれば、企業利益の増大や日本からの部品調達の拡大などを通じて日本国内の設備投資、雇用、税収等を押し上げる効果が期待できる。
これはコロナの影響でダメージを受けた日本経済の救済策となる。ただし、補助金の額が小さいので、その政策のインパクトは限定的である。
世界の一流企業による中国市場の評価
今年4月、中国に進出している米国企業の団体である米国商工会議所のグレッグ・ギリガン会頭は、中国の英字紙チャイナ・デイリー(China Daily)に対して、次のように述べたと報じられている。
「私どもの会員企業を対象とする最近のアンケート結果によれば、中国経済の成長率の低下、米中摩擦の拡大、中国国内において長引くビジネス上の困難な課題、および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大等にもかかわらず、中国は引き続き大多数の米国企業にとって長期的に最も重要な市場である」
その後、同じ団体の別の幹部と面談した日本企業の幹部によれば、米国企業の見方は最近も変化はないとのことである。
そして、この見方は欧州、日本を含めてグローバル市場における一流企業の共通認識である。
上記の認識を背景に世界中から一流企業が中国に集中しており、現在中国で事業展開を続けている企業はこの厳しい競争の中で生き残った一流企業ばかりだ。
中国の所得水準の急速な上昇を背景に中所得層が顕著に拡大し始め、中国国内市場の魅力が世界から高い評価を受けるようになったのはリーマンショック後の2010年以降である。
競争力の乏しい企業はこの10年間にすでに中国市場から縮小・撤退している。現在も生き残っている企業は、グローバル市場で通用する高い競争力をもつ世界各国の上位企業だ。
各国の平均的な競争力の企業がこの中国市場に参入してもおそらく大半の企業は生き残ることができないと思われる。
今後の中国市場との向き合い方
グローバル市場で通用する高い競争力を備えた企業にとって、中国市場は大きな収益を得られる可能性がある魅力的な市場である。
今年の新型コロナ感染拡大の厳しい状況下でも、中国は通年でプラス成長を実現する見通しである。これは世界の経済大国の中で唯一中国だけだ。
足許の10〜12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、コロナ発生前である昨年並みの6%前後にまで回復する見通しである。
来年は今年の反動から年前半の成長率が高まるため、通年での成長率は8%に達すると予想されている。
リーマンショック直後に中国経済は巨額の内需拡大策を実施し、世界経済の急落を防いだと評価された。しかし、その後数年にわたり、その内需拡大策が生んだ不良債権の処理に苦しんだ。
その苦い経験を踏まえて、今回の景気急落からの回復局面において中国政府は同じ失敗を繰り返さないよう不動産開発投資やインフラ建設投資の伸びを抑制している。
それでも現在の中国経済の規模は2010年の約3倍に達しているため、来年の8%成長が生み出す新たな需要の規模は、2010年当時の中国経済の約24%成長に相当する。
これが世界経済に与えるインパクトは十分大きい。
この先も2020年代前半までは5%台の成長率を保持する可能性が高いと見られている。このような安定的に拡大する巨大な市場規模が中国市場の大きな魅力である。
ある日系大手自動車メーカーの幹部は、この点について筆者に対して次のように語った。
「売上高が拡大すれば、人は働くことに幸せを感じ、技術も人も成長する。それが人のさらなる意欲を掻き立て、新たな目標にチャレンジするエネルギーを生み出す」
「人間のマインドセットが変わる。これが数の力だ。だからこそ世界の一流企業は中国市場に資源を投入し、企業としてのさらなるレベルアップを目指している」
米中対立、コロナ感染、欧米諸国での反中感情の高まりなど、様々なネガティブ要因が指摘されても、世界の一流企業が中国に集中する理由をこのコメントが端的に説明している。
日本企業は現在の日中関係改善の追い風により中国ビジネス展開の大きなチャンスを迎えている。
競争力に自信のある企業は中国市場にチャレンジして飛躍を目指す好機である。それが日本経済のコロナ後の経済回復の強力な支えとなることを期待したい。
筆者:瀬口 清之
瀬口 清之のプロフィール
Kiyoyuki
Seguchi
キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
東京大学経済学部卒業後、日本銀行に入行。政策委員会室企画役、米国ランド研究所の客員フェロー、北京事務所長、国際局企画役を経て、2009年4月から現職。
論文に「教育まちおこし構想 小中学校を核にした地域社会を活性化する」(2002年)、「"Dissolution of Mutual
Distrust" Relations among China, Japan, and the United States, since the
1990s」(2005年 ランド研究所内部ペーパー)、「環渤海地域経済開発構想の展望と課題」(2008年)などがある。
日本が米国で今回就任する「バイデン大統領」に菅義偉首相が昨年12月19日、東京都内での講演で、米国のバイデン次期大統領と電話会談した際、沖縄県・尖閣諸島が対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象になると同氏が明言したことを喜んで当てにして居る様だが、トンデモナイことだ!
グローバル市場で通用する高い競争力を備えた企業にとって、中國市場は大きな収益を得られる可能性がある魅力的な市場である。
自動車関係の幹部の方からも「売上高が拡大すれば、人は働くことに幸せを感じ、技術も人も成長する。それが人のさらなる意欲を掻き立て、新たな目標にチャレンジするエネルギーを生み出す」との発言を引き出していますが、その技術を取り上げたり窃取されても企業の存続を考えればその様な発言と同時に気にして居ないのだろう?
「俺っち」も事ある毎に自分の廻りで中國と同じ様に国内で勝手にウロチョロされて中國に利益(付け届け=賄賂?)を貰えないのなら「俺っち」も力(ちから)づくで牙を剥くぜ!
しかも中國は自国に有利な条件で勝手に立法化する事に躊躇しない国ですよ。
「父つぁん」が心配している別の件でも、島嶼諸島での中國の海軍では無い海警局の艦船に対して何のための対応か判らないが相互主義?で対応するのが海上保安艦船であって、その海警局艦艇の法を「海警法」を弄(いじ)くって武器使用を行って撃沈?する事も可能にしている。武器を持たない漁船に対しても言う事を聞かなければ同じ様に対応させる。
日本の海上保安庁の艦船は水鉄砲で撃退できるとでも思っているのか?海上自衛隊の艦艇は武器を使うことが出来るとでも思っているのか?中國に対応できる様に法改正を行っても守る意思を明確に政府は対応しなさいよ。
世界の懸念行動で中國の「覇権」を問題視していない事が不思議でいるが世界各国の首脳が参加したビデオ会議で、国際問題における「覇権」に中國は反対するとあらためて表明しているが、覇権という言葉は、中國が米国の行動を表現するために用いることが多い。何を勘違いしているだ!覇権国家は中國だろう。
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