日本の技術を取り込んで新幹線の敷設規模が発表した計画によると、2020年までに国内の鉄道営業距離を20%増やして15万キロとし、常住人口20万人以上の都市のほぼすべてをカバー。また、高速鉄道も3万キロ増やし、主要都市の80%をカバーするという。
日本の様に遅々として計画が進まない国政が、同じロジックで再稼働できない原子炉規制委員会?の決定が未だ多くの原子炉に稼働認可が出されて居ない。
原子炉の稼働で仏国の電源比率が70%以上を賄って居る国を超えて中國が現在に於いては世界一と言われるくらいの知識を得て居ると言われている?
広東省台山市では、中国国有の中国広核集団とフランス電力の合弁による「台山原発」が新たに建設されている。同原発が擁する2機の原子炉は、アレバNP、フランス電力、シーメンスが共同開発したEPR(欧州加圧水型炉)と呼ばれる新型だが、これがいわくつきなのである。
2015年4月、アレバNPが行った圧力試験で、EPRの屋根と底の部分に脆弱性が見つかったのだ。これにより、採用を決めていたフィンランドとフランスの原発建設計画が中断している。
ところが、台山原発では建設を続行し、2機とも完成させた。
2016年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)で採択された第13次経済5カ年計画では、2020年までに原発による発電量を5800万キロワットに増加させることが盛り込まれた。
現在の2倍以上に相当するこの発電量を実現するためには、年間7~8基を新たに稼働開始させることが求められる。さらに30年までには、中国は原発の稼働数と発電能力の両面で世界一となるとみられている。
これほどまでに原発を推進させる中国には、れっきとした魂胆がある。広東省地方紙の社会部記者によると、「国内の電力確保ももちろんだが、中国政府はそれ以上に原発輸出ビジネスを見据えている。すでにイギリスやルーマニアへの原子炉輸出が決まったが、現在もさらに多くの国と商談中」という。
国の政策に逆らうことのできない中国では、問題が発覚しながら稼働へと進む台山原発に異議を唱える者はいない。しかし、同原発からわずか130キロで、有事の際には巻き込まれる可能性がある香港では、市民団体らによる反対運動が展開されている。これに対し中国広核集団側は、「稼働までには数年にわたっての十分な安全検査を行う」と答えた。
ところが、香港独立系メディア「傳真社」は、その言葉がでまかせであることを暴露している。2016年5月26日付で、「中国側が、最低2年は必要とされる安全検査を1年未満に短縮し、来年中に原発を稼働させるよう現場に要請した」という、同原発の建設に関わるフランス人技師の証言を伝えたのだ。
問題が指摘されている新型原子炉を、十分な安全検査を経ないまま稼働に踏み切ろうとする危険極まりない姿勢が明らかになったわけだが、これも氷山の一角だろう。中国では現在、計31基の原発が稼働中で、さらに23基が新設中だが、安全性においてはいずれも同様の状況であるとみられている。
後ろ向きの元首相の小泉純一郎氏の発言に国民も現政権も反論どころか受容する。
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「原発は再稼働させれば核のごみが増える。最終処分場が見つからないなら、すぐゼロにした方がいい」。今や「脱原発」の急先鋒となった小泉純一郎元首相。原発は善か悪か。お得意の二元論で物議を醸し、反対派からは拍手喝さいを浴びるが、では小泉さんにお尋ねしたい。行き場を失った核のごみはどう処分すればいいのですか?
小泉さん、核のごみはどう処分すればいいのですか?
今や「脱原発」の急先鋒(せんぽう)となった小泉純一郎元首相の主張はいたって単純明快である。「原発は再稼働させれば核のごみが増える。最終処分場が見つからないなら、すぐゼロにした方がいい」
原発は善か悪か。お得意の二元論で問いかける小泉氏らしい手法だが、この極端な二者択一は人の思考を単純化する。むろん、わが国のエネルギー政策は二元論で語り尽くせるほど単純な話。小泉氏の発言の裏には、残念ながら重要な部分も抜け落ちている。それは、既に存在する核のごみをどう処分するのかという問題である。
核のごみとは、原発の使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理を施した後に残る廃液の通称。日本ではガラスと混ぜて固化処理し、地下300メートル以深に埋設する方針が決まっている。現在、ガラス固化体は既に再処理された分も合わせると約2万5千本。当然ながら、原発が稼働し続ける限り、この量はどんどん増え続ける。
しかも、人体に有害な放射線を出す核のごみが「無害化」されるまでにかかる時間はおよそ10万年。言うまでもなく、人類史上、これほどの歳月に耐えられる構造物が存在した例はない。地震大国の日本で、そんな危険なごみを安全に埋める場所がどこにあるというのか。小泉氏の懸念は、そこに集約される。(iRONNA編集長、白岩賢太)
日本に原爆が2回目の被爆地の長崎市で74年目の平和記念式典が行われましたね。
確かに世界は核使用の危険が高まって居るようですが?どこの国なのか。
抑止力を取らないで、説得だけで抑えられるのか?若者にとって安全策や撤退で技術の継承も失われて行く事で逃げ廻って居る様では間違いなく中國の恫喝を受けて中國の傘下に組み込まれて安産保障を中國に頼りますか?
安倍政権も原子炉セールスをイギリスに展開して居たのを諦め、現状の日本に於ける原子炉破棄に向けて動いている事で電気代の高騰を太陽光発電システムやエコ発電に邁進!太陽光発電は24時間稼働する発電されるパワーを基準に原発が無くても賄えると勘違いして居ませんか?必要な時に取れる発電率を1日の内の16%と言われて居ます。雨と夜間には発電されず、今回の台風で損壊されたパネルも多く在るのでは無いだろうか?多くの場所に設置されたパネルは狭い日本の至る処で見る事が有りますがどの様に思われますか?
『藤村陽』 エネルギー 原発
核のごみの地層処分「安全神話」よりもリスクを語れ!
藤村陽(神奈川工科大学基礎・教養教育センター教授)
原子力発電の使用済み核燃料には、発電のためにエネルギーを生み出したのと引きかえに大量の放射性物質が蓄積されている。強い放射線が出ているため、遮る厚い金属の壁などがなければ、人間は近づくこともできない。年月とともに使用済み核燃料中の放射性物質の量は減っていくが、それらが人間の生活環境に放出され、多量に摂取されることがあれば健康被害につながる。
使用済み核燃料は、原子力発電に関連して発生する放射性廃棄物の中でも放射能が桁外れに強いため、特に高レベル放射性廃棄物と呼ばれる。半減期が100万年以上の放射性物質も多く含まれており、最終的な処分が大きな問題であったが、その方法が確定されないまま世界各国で原子力発電は進められてしまった。
この問題を簡単に解決する画期的な方法はなく、原子力利用を推進する国際機関では、地下数百メートルに高レベル放射性廃棄物を埋設する「地層処分」ならば、将来、人間の手による管理は不要であるとし、自国で地層処分を実施することが各国の目標となっている。しかし2016年末現在、処分施設の建設地や候補地が決まっているのはフィンランドとスウェーデン、フランスだけで、これらの国でもまだ埋設は始まっていない。
「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」で点検作業を行う作業員ら。オレンジ色のふたの下には海外に使用済み燃料の再処理を委託し戻されたガラス固化体が千本以上保管されている=2012年 12月、青森県六ケ所村
日本では、2000年に事業実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)が設立され、2002年から処分地選定の公募を始めているが、応募後に取り下げられた2007年の1件を除いて、自治体からの応募は得られていない。こうした状況に対して、2015年5月の閣議決定で、政府が前面に立ち、科学的により適性の高い地域を「科学的有望地」として示し、処分地選定のための調査への協力を自治体に申し入れるとされた。科学的有望地の要件・基準は2016年8月には取りまとめられたが、その示し方や位置づけについて、2016年末現在、議論が続いている。
「本音」でなければ信頼は得られない
科学的有望地という表現は、処分地として適性が高い方から特に選ばれた地域のように響くが、実態は、火山や活断層の近傍、隆起・浸食が非常に大きい、地温が非常に高いなど絶対に避けるべき特別な範囲を除いた残り大多数の地域にすぎない。積極的に選ぶべきという意味での有望地は、実際に地下を掘り、処分場を設置する地下環境をよく調べなければわからないのである。
地層処分について、筆者の結論を先に述べると、一般論としては想定されている安全性をもちうるとは考えるが、不確実な要素も多い。不運な事態が重なれば、処分場から漏れた放射性物質によって未来の人類が影響を受けることも、可能性は低いが想定しうる。それ以前の根本的な問題として、これまでの原子力発電の推進のあり方に大きな問題があったのと同様に、安全性を最大限に優先した処分地選定や操業がなされることには懐疑的である。
「地層処分は安全」とだけ強調した広報は、安全性をないがしろにする姿勢である。長期にわたる事業への信頼は、懸念材料を本音で語りながら進めることでこそ得られる。さらに大きな問題として、地層処分事業が始まったとしても、高レベル放射性廃棄物の問題がすぐに解消するわけではない。抱えている問題は多く、将来世代の負担も残る。したがって、地層処分はあくまで消極的な選択であり、このようなかたちでしか高レベル放射性廃棄物の後始末ができないのであれば、処分場が1か所で済むうちに、原子力発電利用の縮小、撤退を目指す必要があり、原子力利用のアキレス腱が解消したかのように推進に拍車をかけることがあってはならない。
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性の観点からは、放射線が非常に強い期間は直接人間環境にむき出しにならないこと、埋設後、格納容器が劣化しても、放射性物質が地下水で運ばれて人間環境に大量に放出されないことが求められる。したがって地質環境が安定で、地下水の動きが盛んでない場所が処分地としては適している。
日本は、複数の大陸プレートと海洋プレートがぶつかり合うという、世界でも稀な場所に国土が位置するため、地震や活火山の数が世界の1割を占める地震大国、火山大国である。土地の隆起や浸食が大きい地域もあり、原発利用大国の中で、地質環境の安定性の条件は非常に劣る。降水が多いことから地下水も豊富で、プレートが押し合う力のため地下深くの岩盤にも地下水の水みちとなる亀裂が多く、この点でも有利な条件にはない。処分地が決まっているフィンランドやスウェーデンがバルト楯状地と呼ばれる安定な地質環境にあるのとは対照的である。
地震の発生や火山の噴火には一定のメカニズムがあり、同じ場所で繰り返し起こりやすい。そのため、処分場に大きな影響を与えるような過去の活動の記録があれば、絶対に処分地に選ぶべきでない場所として除外できる。たとえば地震については、震源で生じた断層が地表にまで届き、今後も繰り返し活動する可能性が高いと判断されて「活断層」と認定された付近は、処分地に選定しないことになっている。
「活断層を避ければ大丈夫」は通用しなくなった
熊本県益城町内で地表に出現した断層。4月16日未明に
M7・3の地震を起こしたとみられる=2016年4月 しかし、現に活断層として知られていなかった場所で大きな地震が起きているように、マグニチュード7弱程度の規模の地震では、過去に起きたときには断層が地表まで達していなくても、将来、処分場の深さまで断層が届くように地震が起きる可能性はある。すなわち、処分地に選ぶべきでない場所は過去の記録だけからはわからないし、現時点で認定されている活断層を避けても、処分場が断層直撃を免れるとは言い切れない。
日本では、2000年に高レベル放射性廃棄物を地層処分することを法律で定めた頃から、一般向けに地層処分が広報されるようになり、「わかっている活断層さえ避ければ大丈夫」といった言い方で安全性が強調されてきたが、これこそが福島第一原発事故に至った道である。安全性の確保にベストを尽くす取り組み方をしているという信頼を得るには、不確実な部分があることをきちんと伝えるべきである。
高レベル放射性廃棄物は厚い金属容器に格納して埋設され、周囲には粘土の緩衝材を配置する。これらの人工物(地層処分関係者は「人工バリア」と呼ぶ)は、高レベル放射性廃棄物が埋設後1000年程度の早期に地下水と接触し、放射性物質が漏れることを防ぐ。地質環境の面で有利な条件にない日本では、人工バリアに期待する役割も大きい。
人工バリアはいずれ劣化するが、地下で放射性物質が漏れてもすぐに地表付近に到達するわけではない。これは放射性物質の中には地下水に溶けにくいものもあり、また地下深くの地下水の流れが遅く、さらに地下水中の放射性物質が岩盤にくっついて移動が遅くなるなど、地層処分関係者が「天然バリア」と呼ぶ地下深くの地質環境の働きによる。しかし、高レベル放射性廃棄物の中には、セシウムやヨウ素など地下水に溶けて移動しやすい放射性物質ものもあり、こうしたものが安全性の上で問題となる。また仮に現時点で理想に近い処分地を選べたとしても、将来、地震などによる地質環境の変化によって、天然バリアの適性が低下する恐れもある。
安全性の判断材料である将来の人類の被ばく線量は、放射性物質が処分場からどれだけ漏れ、そのうちのどれだけが地表付近に届き、その地域の住民が生活環境に広がった放射性物質をどれだけ摂取するかといった要因すべてが組み合わさって決まる。これらの要因に影響を与える地質環境などの条件の組み合わせには無数のパターンがあり、現実にそのうちのどれが起きるのかを予測することは不可能である。
地層処分の安全性の説明で、将来の被ばく線量が最大になるのは80万年後で、1年あたり0.000005ミリシーベルト(後述のTRU廃棄物を考慮すれば1万年後に1年あたり0.002ミリシーベルトと言うべき)にすぎず、現在の自然放射線による被ばく(1年あたり約2ミリシーベルト)より何桁も低いといった具合に示されるのは、無数の仮想的な試算の中の標準例の1つにすぎない。悪い条件が重なれば、確率的には低くても、そうした標準例の100倍や1000倍以上の被ばくになることもある。
特に最悪の想定が重なったようなケースとして、地震を起こした断層が処分場を直撃し、埋設された廃棄物が金属容器もろとも破壊され、漏れ出た放射性物質がその断層に沿って非常に速く移動し、放射性物質の濃度が濃い水源を利用する生活環境というような極端な想定では、福島第一原発事故での特定避難勧奨地点にあたる被ばく(1年あたり20ミリシーベルト)に近い値も計算上は出てくる。起こりうる可能性が天文学的に低くても、悪い想定をこのように機械的に重ねた上限のようなものも示しておいたたほうが、長い目で見れば、信頼を得られるように筆者は考えるが、関係者の考え方は分かれるようである。
幌延深地層研究センター。エレベーターで地下350メートルへ。
地下300メートルより深くにつくられる処分場は、20年程度の調査のあと、建設から埋設開始まで10年程度はかかる。6~10平方キロメートルの広さに、総延長が200キロメートル以上にも及ぶ坑道を段階的に掘削し、50年ほどかけて廃棄物を埋設し、埋め戻しにも10年程度を要する。こうした工程が、すべてトラブルなく進むとは限らない。岐阜県瑞浪市の日本原子力研究開発機構の地下研究施設では予想外の湧水が続き、当初計画の深さまで立坑を掘ることができていない。筆者は以前に地層処分関係者から、坑道の掘削で湧水が生じても、地下水が運ぶ鉱物などで亀裂はふさがれ、湧水は自然に止まると聞かされていたが、瑞浪の現実はそうではなかった。
このような湧水は、坑道の埋め戻しをすれば掘削前の地下水の流れが遅い状態に戻るとされているが、これだけの規模の坑道をきちんと締め固めてすべて埋め戻すことは、前例のない工程である。きちんとした埋め戻しによって、放射性物質は地下水によって移動しにくくなり、地下が酸素の少ない環境に保たれ、金属容器の腐食を防ぐなどするので、不十分な埋め戻しは天然バリアと人工バリアの機能を低下させかねない。
警戒すべきは埋設後だけじゃない
地層処分については埋設後の安全性に関心が集まるが、操業中の地上施設では、放射能が強い高レベル放射性廃棄物を遠隔操作によって格納容器から取り出す工程がある。このような作業中に、大地震などによって施設が大きなダメージを受け、高レベル放射性廃棄物を遠隔操作可能な状態に復旧できないようなことがあれば、施設内部に人間が立ち入れず、修復に手をつけられない事態に陥る。そのことで直接、近隣住民に健康上の影響を及ぼすわけではないが、地域にとっては有難くないものが長期にわたって残されることになってしまう。
地層処分の安全性には、地質環境の安定性、人工バリアと天然バリアの機能など非常に多くの要素が関係し、これらが複雑に絡み合っている。そのため、どれか1つの要素で想定が破れても、それだけで安全性が大きく低下するわけではない。また、ある要素が劣っていても、総合的な性能が優れていることもありえるので、個別の要素ごとに合格基準は設けない。
これまで大多数の地層処分の関係者は、絶対に避けるべき地域以外は、より好ましそうな地域や、より好ましくなさそうな地域について具体的な本音を語ってはいない。一般論として、適切な処分地選定と適切な工学的対策によって、一定の安全基準をクリアする適切な処分場が構築されればよいとしている。各国の地層処分関係者も、ベストの場所を選ぶという発想は不要としている。
敦賀原発で行なわれた専門家による断層調査 =2014年6月、福井県敦賀市(矢田幸己撮影)
ある候補地が一定の安全基準を満たすということが、100点満点中の何点で、どれだけ余裕のある合格なのか、他の場所と比べてどうなのかは、関係者でも専門分野が異なれば意見が分かれそうである。仮にギリギリ合格レベルであったとしても、反対運動を利することは言わないとばかりに、そうした本音は語られないであろう。このような姿勢では、社会が安全を確信することは難しい。今回の科学的有望地の提示にあたって、高レベル放射性廃棄物の処分地への輸送は海上輸送が好ましく、港湾のある沿岸から20キロメートル以内を「より適性の高い地域」の目安とした点は、良し悪しは別にして、珍しく公けにされた本音であると筆者は受け止めている。
処分地の選定は3段階の調査によって段階的に進められ、地元の意見も聴き、後戻りが可能とされている。筆者が危惧しているのは、処分地選定や操業の段階が進めば進むほど白紙に戻すことが難しくなるため、その途中で、条件が悪い点が見つかっても、総合的に評価すれば一定の安全基準を満たすというかたちで事業が進められてしまい、少しずつ安全性がないがしろにされていくことである。例えば、活断層がないとされていた場所が断層に直撃される可能性は、地下の調査が進めばわかるとされている。このことは必ずわかるとは限らないのだが、仮にわかったとしても、これまでの原子力発電所の立地や稼働の進め方からすると、「活断層ではない」と押し切ってしまう可能性が高いように思えて仕方ない。
地層処分は魔法の杖ではない
政府は「高レベル放射性廃棄物の最終処分は、将来世代に負担を先送りしないよう、現世代で取り組むべき問題」として、前面に立って取り組むとしているが、地層処分の処分地が決まっても、将来世代の負担がなくなるわけではない。
高レベル放射性廃棄物は埋設用の金属容器に格納されても、ある程度の強さの放射線が出ているため、一時的に人間が近づくことはできるが、基本的には遠隔操作で埋設される。しかも金属容器を含めて5トン以上もの重量物を地下深くにまで運ぶので、1日に数本程度しか埋設できない。福島第一原発事故以前の原発の稼働体制であれば、日本が約50年かけて貯めてきた高レベル放射性廃棄物を約50年かけて埋設する計算に相当する。すなわち、処分場が決まったからといって、現存する高レベル放射性廃棄物がすぐに消え去るわけではないのである。
そもそも高レベル放射性廃棄物は、放射線がある程度弱くならなければ埋設ができず、原子炉から取り出して50年程度は待たなければならない。これは人工バリアの粘土の緩衝材の機能の確保のため、高レベル放射性廃棄物の放射線で発生する熱がある程度まで小さくなることが必要なためである。したがって、我々がこれから原子力発電で発生させる高レベル放射性廃棄物は、50年以上あとの世代に埋設を頼ることになる。
ここまで使用済み核燃料イコール高レベル放射性廃棄物として述べてきたが、フィンランド、スウェーデン、米国などが使用済み核燃料をそのまま高レベル放射性廃棄物として埋設する(直接処分と呼ばれる)のに対して、日本は使用済み核燃料からウランとプルトニウムを化学的に分離する再処理をしたあと、その残りをガラスで固めたガラス固化体を高レベル放射性廃棄物として埋設する。
九州電力川内原発で、低レベル放射性廃棄物保管容器の固定状況を調べる作業員=9月27日午後、鹿児島県薩摩川内市(九州電力提供)
再処理の工程では、使用済み核燃料の放射性物質のうち一部は、ガラス固化体にされる高レベル放射性廃液とは別に分離されてしまい、再処理工場で発生する放射性廃棄物(TRU廃棄物と呼ばれ、分類上は低レベル放射性廃棄物)として扱われる。こうした使用済み核燃料に由来するTRU廃棄物は高レベル放射性廃棄物と同様に扱う必要があるため、地層処分の対象となり、ガラス固化体と同じ処分地に埋設される可能性が高い。その中にはヨウ素など地下水中を移動しやすい放射性物質が含まれているため、TRU廃棄物を地層処分した場合の将来の人類の仮想的な被ばく線量の試算の標準例は、ガラス固化体を地層処分した場合の100倍以上大きく、放射性物質が漏れだす時期もかなり早い。しかし、地層処分を進める側の説明では、このことがきちんと示されていないことが多い。
地層処分されるTRU廃棄物には、燃料集合体の末端部や被覆管の断片など強い放射能をもつ部分ばかりを集めた廃棄体がある。これらは埋設時に人間が近づいて作業できる程度にまで放射線を遮れないほど放射線レベルが高く、完全に遠隔操作で埋設される予定である。こうした廃棄体の埋設時にトラブルが生じたときの復旧は、非常に困難を極めることになる。
そもそも再処理はプルトニウムを核燃料として利用するために行うのだが、プルトニウムを含む核燃料(MOX燃料)を既存の原子炉で使うこと(いわゆるプルサーマル)は採算性が低く、実施も進んでいない。そのため使用済みのMOX燃料をさらに再処理する可能性は非常に低く、そのまま直接処分の対象となる可能性が高い。ところが使用済みのMOX燃料は、通常のウラン燃料の使用済み核燃料とは放射性物質の組成が違い、原子炉から取り出して100年程度では埋設が可能になるほどまで発熱が弱まらず、非常に長期にわたって地上保管を続けなければならない。地層処分を選択するのなら、再処理・プルトニウム利用は大きな負担を将来世代に残すことになる。
実は、これまで再処理は、使用済み核燃料を地層処分する直接処分に対して、地下の処分場に必要な面積が小さくできると宣伝されてきた。これは、再処理でプルトニウムを分離するため、ガラス固化体の放射線による発熱量が小さくなるためである。しかし、取り出したプルトニウムを核燃料として利用したあとまでを考えると、再び再処理できない場合、上に述べたように処分場の面積低減以上のデメリットをもつ大変な厄介物になってしまう。将来、どの程度の規模で原子力利用を続けるのかは、現在では不透明であり、下方修正も迫られている。こうした現状を踏まえれば、高レベル放射性廃棄物の地層処分という観点から、再処理やプルトニウム利用の核燃料サイクル政策の進め方も見直すべきである。
地層処分に必要な費用は、福島第一原発事故以前の稼働ペースで、日本の50年程度の原子力発電で生じる約4万本のガラス固化体について約3兆円、それらの再処理によって発生するTRU廃棄物のうち地層処分するものについて約8000億円と見積もられている。筆者はNUMO発足当初の頃に、NUMOの技術部門のしかるべき立場にある人物が、きちんとした処分をやるには費用が足りないと主張されていたことが強く記憶に残っている。
処分費用は、発電時に発電量に応じて電力会社から徴収される。当初計画のスケジュールどおりなら、埋設が始まるよりも早く徴収が終わってしまうので、事業を進めながら積立金を運用益で増やしていく前提で徴収額が決められている。当初は複利2%を想定し、20年間で総費用の約半分の額を徴収すれば、その後、何十年もの操業期間を終え、処分場を閉鎖した後、300年程度の簡単なモニタリングまで運用益で賄うという計算になっていた。現在では運用益は低下しており、それに応じて徴収額も改定されてはいるが、徴収終了後、運用益がますます低下し、事業が進むにつれ大幅に費用が足りなくなり、安全性が削られることが強く懸念される。
他の方法は本当にないのか
地層処分はうまくいけば、人間の生活環境からある程度遠いところに高レベル放射性廃棄物を隔離できるという面はあるが、地下で何が起きているのかわからないという不安が常につきまとう。遠い将来の人々が、足元に高レベル放射性廃棄物が埋まっていることを知っていたほうがいいのか、知らないほうがいいのかも、関係者の中でさえ意見が分かれる。
地層処分に頼らないで済ますために、科学の力で放射性廃棄物を放射能がない物質に変えられないかと考えたくなるが、そうした研究は何十年も続けられているにもかかわらず、現実的なものにはなっていない。これは、高レベル放射性廃棄物には様々な種類の放射性物質が含まれていて、これらすべてを共通の方法で効率良く放射能がない物質に変えることが難しいためである。仮に可能になったとしても、発生するそばから次から次へと放射能がない物質に変えることは難しいし、高レベル放射性廃棄物のうち一部の物質にしか適用できず、大半は地層処分される。この他の方法として、宇宙への廃棄は、それ自体の良し悪し以前に、頻繁にロケットを打ち上げなければならず、事故のリスクが非常に大きく、途方もなく費用がかかる。他国に埋設をして原子力発電を続けるというのはもっての外であろう。
これに関連して、2016年12月に政府が廃炉の方針を決定した高速増殖炉もんじゅや、引き続き計画されることとなった新たな高速炉の役割として、近年では、プルトニウム増殖よりも高レベル放射性廃棄物の低減が前面に出されているが、これはかなりの誇大広告である。高速炉にできることは、高レベル放射性廃棄物のうちマイナーアクチノイド(原発でウランが中性子によって核分裂せずに、中性子を吸収して生じる)と呼ばれるごく一部の特殊な放射性物質を、高速の中性子によってウランやプルトニウムのように核分裂させることである。
マイナーアクチノイドはエネルギーの大きい放射線を出すため、発熱も大きく生物への影響も大きいので、マイナーアクチノイドが減ると処分場の面積や有害度と呼ばれるものは減る。しかし、核分裂によって新たに高レベル放射性廃棄物が生み出され、そのうちの一部はマイナーアクチノイドと違って地下水に溶けて移動しやすく、しかも長寿命の放射性物質になるので、地層処分にとっていいことずくめでもない。そもそも1基の高速炉で処理できるマイナーアクチノイドの量はそれほど多くなく、このようなことを実施するには、現状でうまく進んでいない再処理よりも、更に手の込んだ再処理を軌道に乗せることが必要である。つまり高速炉による高レベル放射性廃棄物の低減は絵に描いた餅であり、高速炉開発を継続するための口実にすぎない。
フィンランドの放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」の内部。地下約450メートルの最深部に使用済み燃料を埋める穴が試験的に掘られていた=2016年4月、オルキルオト島
高レベル放射性廃棄物を地下に埋設するのではなく、地上や浅い地下で保管することは、将来の人間社会がどうなっているのか予測できないため管理の継続に不確実さがあり、またテロや戦争、災害などの脅威にもさらされるとして、原子力利用を推進する立場からは却下されている。しかし、高レベル放射性廃棄物が地表付近にあることがどれだけ危険なのか、具体的に示されているわけではない。
人間がテロや戦争を起こすのならば、そもそも原子力発電所の存在はどう考えるのか。また原子力利用から撤退しても、最後に発生した使用済み核燃料の地層処分まで50年もの時間を必要とする。地層処分をしながら大々的に原子力利用を推進することは、こうした矛盾を抱えている。そうした意味でも地層処分は消極的にしか選べない選択であり、こうした課題に真摯に向き合わなければ、原子力利用の賛否が分かれている現状で、国民的な合意を得るのは難しい。
筆者の経験では、原子力への批判的な意見を聞く度量のある関係者であっても、たいていは「わかっていて反対するのはいいが、よくわかっていないのに反対するのはダメ」という言い方をする。これは裏を返せば「よくわかっていなくても賛成ならOK」ということになる。原子力発電を稼働し、処分事業も進める以上は、社会から信頼を寄せられる姿勢であたってほしいと筆者は願っているが、福島第一原発事故を経験しても、このような上から目線の姿勢でいるならば、国民から信頼されるということについて、真の意味で向き合っているとは言えないであろう。
日本に原爆が2回目の被爆地の長崎市で74年目の平和記念式典が行われましたね。
「俺っち」が原子炉の仕組みなんか知らないけれど、確かに世界は核使用の危険が高まって居るようですが?どこの国なのか知って居ますよ。
抑止力を取らないで、説得だけで抑えられるのか?若者にとって安全策や撤退で技術の継承も失われて行く事で逃げ廻って居る様では間違いなく中國の恫喝を受けて中國の傘下に組み込まれて安産保障を中國に頼りますか?
安倍政権も原子炉セールスをイギリスに展開して居たのを諦め、現状の日本に於ける原子炉破棄に向けて動いている事で電気代の高騰を太陽光発電システムやエコ発電に邁進!太陽光発電は24時間稼働する発電されるパワーを基準に原発が無くても賄えると勘違いして居ませんか?必要な時に取れる発電率を1日の内の16%と言われて居ます。雨と夜間には発電されず、今回の台風で損壊されたパネルも多く在るのでは無いだろうか?維持管理に無頓着なオーナーが利益のみに邁進?買取価格が高めに設定されて莫大な金額を電気料金に上乗せられて我々が追って居る訳ですよ。
多くの場所に設置されたパネルは狭い日本の至る処で見る事が有りますがどの様に思われますか?
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