2019年10月22日火曜日

カンボジア、電気の使えない村で見つけた「心のあかり」


今年は次々に台風や豪雨に見舞われて堤防決壊や強風による送電線鉄塔や電柱が倒れて電源消失で高層マンションのエレベータが止まったり、水道ポンプにも電気が送られて来ないという激甚災害が多く、復旧が急がれます。
状況を報道やネットで目にする事が出来ますので自分の居る場所で出来る事を見なおす事が必要だと実感します。
電気の無い生活は現在では考えられない。もし、今の生活で電気が送られてこないと想像する事で、緊急時に灯りには電池で対応できるように考えて懐中電灯を置くなり、保存食の備蓄を絶えずチェックして於きたい。
この次の話題は電気の生活が当たり前の我々が、電気のない生活を送る人が、世界に約11億人いるという未だに電気の恩恵に浴して居ない処で初めて灯りが生活に入って来た人の変化を見て下さいね。有り得ない義理と安全地帯を覚えて居る事への驚愕する事例紹介です⁈
 2019.10.10 社会デザイン研究 高木 邦子
カンボジア、電気の使えない村で見つけた「心のあかり」
走り出したパナソニックの「みんなで“AKARI”アクション」

2019.10.10 社会デザイン研究 高木 邦子
電気のない生活を送る人は、世界に約11億人いるという。パナソニックは「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を通して、20181月までに、アジアやアフリカ諸国を中心とした無電化地域にソーラーランタンによる“あかり”を提供してきた。今回、そうした村のひとつ、カンボジアのコードンタイ(Kordontey)村を訪ね、ランタンがどのように人々の暮らしに役立っているかを取材した。訪れた村の人々は皆、屈託のない笑顔で我々の一行を迎えてくれ、“あかり”を手にした喜びと、目の前に広がる未来の希望を語った。

年率7%の高度経済成長の陰で取り残される人々
20199月、カンボジアの首都プノンペンの空港に降り立つ。車で市街に向かうと、アジアの新興国ではお決まりの大渋滞にはまる。車窓から外を見ると、空に向かって伸びるおびただしい数のクレーンが目に入る。この町は今、高層ビルや商業施設などの建設ラッシュだ。中国、韓国、タイ、ベトナム・・・ほとんどが外資の都市開発プロジェクト。プノンペンはまさに高度経済成長のただ中にある。

そんな活気あふれる市街を抜け、向かったのは、プノンペンから3時間ほど車で走ったところにあるコードンタイ村。いまも電気の使えない世帯が多く残る村だ。途中、市街から2時間ほどは、車窓にはまだ郊外の町らしい風景が続くが、最後の1時間ほどはかなりの悪路になり、周囲には荒れた湿地が続く。時折、農家が点々と建っている。

ようやく辿り着いたコードンタイ村は、トタン屋根の家が肩を寄せ合うように並んでいる小さな集落。63世帯、271人ほどがここで暮らしている。

板壁に藁ぶき屋根の質素な家屋が多く、衛生状態はあまり良くないようだ。屋根の上にソーラーランタンのパネルが充電のために置かれている

夕暮れ時、村の通りを歩いていると、牛の群れにたびたび出くわす。村の子どもたちが牛を追って、自分の家に帰っていくのだ。この村では、多くの家が牛や豚を飼い、それを売って生計を立てている。

夕暮れ時になると、放牧から戻って来る牛の群れによく出合う
「ソーラーランタン」の下で熱心に学ぶ子どもたち

日が暮れ始めると、街灯のないこの村では一軒、また一軒と小さなあかりが灯る。村に提供されたソーラーランタンが家の中を照らし始めたのだ。

村の民家を訪ねた。家の中には木製の高床があり、そこに二人の女の子が座って学校の宿題をしているようだ。教本を見ながらノートに熱心に書き取りをしている。あたりは暗いので、ソーラーランタンのあかりの下に二人寄り添うようにして鉛筆を走らせている。

ソーラーランタンのあかりの下で勉強する子どもたち。進学して専門職に就く夢を語ってくれた。
聞けば、二人とも小学校5年生。ソーラーランタンのおかげで長い時間、勉強ができるようになったという。「勉強が好き?」と話しかけると、「好き」との答え。「勉強して将来、学校の先生になりたいの」と、少しはにかみながら話してくれた。隣にいた女の子は「私は医者になりたい」と即座に答えが返ってきた。勉強すれば、将来、希望する職業につけるという道筋が彼女たちにははっきりと見えている。

少女たちを温かいまなざしで見守っているのは、この家の主であるお父さん。
ソーラーランタンで暮らしがどう変わったかを聞くと、こう答えてくれた。

「一番よかったことは、家族そろって食事をとれることだよ。これまでは明るいうちに食事を済ませなくてはならなかったけど、ランタンがあればいつでも料理できるから、みんながそろうのを待てるのさ」と満面の笑顔。「それに夜間2回くらい牛小屋まで牛の様子を見回りに行くときにもランタンは役に立っている。真っ暗闇の中をひとりで歩いて行くのはとても危険だったからね」。

ソーラーランタンは夜間の牛小屋の見回りに役立っている。
別の家からは甘い匂いが漂ってくる。訪ねてみると、女性がランタンのあかりの下で炊事をしている。聞けば、お菓子のバナナチップを作っているという。「村の中で売っているの。ランタンのおかげで夜でも作れるようになったから日中は他の仕事をすることができ収入が増えたわ」と、うれしそうに話す。増えたお金を何に使うかを聞いてみると、「まずは食べ物を買うわ、それから子どもの教育に使うの」。

売り物のバナナチップを作っている女性。
ソーラーランタンを使えば早朝など暗い時間でも作業できるため、収入が増えたと話す

村の人気商品になっているバナナチップ。
1日に数十袋売れることもある村の未来は自分たちの手でつくる

訪れたのは、たまたま村の集会が開かれる日だった。村のはずれにある集会所に30人ほどが集まり、村の運営について話し合い始めた。四方の柱にソーラーランタンを吊り下げ、会場を照らすので結構明るい。
進行を務めるのは、この村の生活環境の改善を支援しているNPO団体「ライフ・ウィズ・ディグニティ」のスタッフだ。

「みなさん、この村の課題は何だと思いますか。それをどうすれば解決できるでしょう。どんどん意見を言ってください」。スタッフが村人たちに呼びかけると、5~6人がそれぞれ自分の意見や要望を言う。「野菜を育てているので、共有のため池を作ってほしい」「共同のトイレを作ってほしい」「農作物の苗を合同で購入したい」など。秩序だった話し合いではないが、活発に意見を交わし合っているようにみえる。ボードに最終的に8つの要望が書かれ、スタッフがNPOの本部に持ち帰り、実現できるかどうか検討すると村人たちに約束した。

集会の様子。村の暮らしをよくするにはどうすればいいか、活発な意見交換が行われた。

集会の最後には、パナソニックCSR・社会文化部 主務の田中典子氏が壇上に呼ばれ、「お届けしたソーラーランタンが、みなさんの暮らしをよくすることを願っています。どうぞ末長くお使いください」と挨拶。村人たちから感謝の拍手を浴びた。

集会がお開きになった後、積極的に発言していた男性に話しかけてみた。聞くと、この村の小学校の校長先生という。

「私はコンポンスプーの町で教師になり、この村に派遣されてきました。そしてこの村の女性と結婚し、暮らしています。外から来た者だからこそ、この村をもっとよくしたいと思っています。家畜を売るだけでなく、農業で安定した収入を得られるようにしたい。そのためにはまず共有のため池が必要です。私の学校でも子どもたちと一緒に野菜を作っています。時間があればぜひ見に来てください」――堰を切ったようにあふれだす言葉には、自分の村の未来は自分たちの手でつくるという希望と気概にあふれていた。

村で出会った親子。愛くるしい瞳で微笑みかけてくれた。この子が成人する頃に村がどう変わっているか楽しみだ

誰もが歓びを分かち合い、活き活きとくらす「共生社会」へ
「みんなで“AKARI”アクション」の新たな挑戦
パナソニックは2013年から「ソーラーランタン10万台プロジェクト」をスタートし、新興国や途上国の無電化地域、電力事情の悪い地域にあかりを届ける活動を行っている。創業100周年を迎えた20181月には、アジアやアフリカなど30カ国の131団体・機関を通じ、10万台超の寄贈を達成した。

カンボジアには2014年度から約13000台を20数団体を通じて寄贈。そうした団体のひとつが、今回取材したコードンタイ村でも支援を行っているNPO団体「ライフ・ウィズ・ディグニティ」だ。プノンペンにあるオフィスでプログラムコーディネーターのトリー・コング氏に話を聞いた。

「我々は、厳しい環境にある人々の生活を改善するために活動しています。身体障害者や女性など弱い立場にある人が生計を立てるお手伝いをしたり、災害に強いコミュニティづくりを支援したり、出稼ぎに行く人たちが安全に出かけられるよう指導したりしています」

ライフ・ウィズ・ディグニティのプノンペン本部でプログラムコーディネーターを務めるトリー・コング氏

今、コードンタイ村など支援している村では何が問題になっているのか。コング氏は次のように説明する。 

「一つは教育の問題です。貧しい家庭では子どもを学校に行かせることができないのです。カンボジアでは6歳から9年間の義務教育を受けることが定められていますが、小学校に入学することすらできない子どももいます。さらに学年が進むと、家での仕事が増え勉強する時間がなくなるとついていけなくなり、学校に行かなくなってしまうのです」

日本の外務省の情報によれば、カンボジアの小学校(第1~第6学年:6歳~11歳)の就学率は約77%、中学校(第7~第9学年:12歳~14歳)の就学率は約42%、高等学校は約20%、大学(高等教育)に至っては0.71.0%程度という。これは都市部も含めた全体の数字であるため、コードンタイ村のような農村地域ではこれを大きく下回ると推測される。

しかし、こうした農村の教育問題に、ソーラーランタンは変化をもたらしているようだ。コング氏は続ける。

「パナソニックさんにはソーラーランタンを提供していただき、たいへん感謝しています。子どもがあかりの下で長い時間勉強できるようになり、学校の勉強についていけるようになったと親御さんたちは喜んでいます。高校や大学へ進学する子どもたちが増えることを我々も期待しています」
教育以外にも、医療や貯金、食べ物やお祭りのお供えなど絶対的な収入が少ないために苦労する場面は多いという。そんな中、ソーラーランタンをうまく使うことで夜分に牛を世話したりバナナチップを作ることができるようになり、収入が増え生活水準が改善したそうだ。

家族が出稼ぎに行かずにすむよう、農作業などによる収入を増やすことが村人たちの目標のひとつ
「村の未来を担うのは最終的には村人たちです。私たちは彼らと心を通わせ、絆を深めながら、村の発展に尽力していきます。これからも日本のみなさんのご支援をお願いしたいと思います」

社員の企業市民としての自覚を高める
「ソーラーランタン10万台プロジェクト」完遂後の2018年からは、新たに「みんなで“AKARI”アクション」としてスタートを切った。あかりを届ける活動をパナソニックの社員だけでなく一般の人にも参加できるようにしたのが最大の特徴だ。

「以前から、活動に参加したいという社員の声が多くありました。そこで2014年に福利厚生のカフェテリアポイントをソーラーランタンのプロジェクトに寄付できる仕組みを作ったところ、4年で約4300名の社員が寄付をして3500台のランタンをお届けしてきました。さらに2016年からは社員がボランティアでソーラーランタンの寄贈先の村を訪問するという仕組みを開始し、3年間で3カ国に12人を派遣しました。1回に100名以上の応募が集まります」と、パナソニックの田中氏は社員の企業市民としての自覚の高まりを感じている。

パナソニックCSR・社会文化部 主務の田中典子氏
20192月に田中氏は4名の社員とともに、カンボジアのコンポンチャム州のある村を訪れた。30代から50代のお母さんたちが、識字教室に集まり、ソーラーランタンのあかりを使って夜遅くまで熱心に勉強する姿に、社員たちは大いに感銘を受けたという。

海外ボランティア特派員4名が、カンボジアのコンポンチャム州を視察した。

「暗闇の中、子どもを抱いたお母さんが、一人また一人と、ソーラーランタンを点けて教室に集まってくるのです。字が読めないと、よい仕事が得られなかったり、だまされたりすることがあるので勉強したいと。彼女たちは子どものころ、学校に行きたくても行けなかった。だから今、勉強して収入を増やし、生活をよくしたいと一生懸命なのです」(田中氏)。

参加した社員たちは「あかりの力を改めて痛感した」「あかりが役立ち、喜んでもらっていることを実感した」と、ホームページやフェイスブックなどでで発信。みんなで“AKARI”アクションが企業として取り組む意義を共有した。

一般の人でも、古本やCD/DVDによる寄付で活動に参加できる。不要になった本5冊以上で、電話一本で無料で引き取りにきてもらえ、その代金が寄付される仕組みだ。手軽にあかりを届ける活動に参加できることから、20183月からの20193月までに約23000冊が寄贈された。これらの寄付によってカンボジアに新たに90台のソーラーランタンが贈られた。

「みんなで“AKARI”アクション」で集まった寄付金によって、カンボジアの障がい者を扶養する世帯などにもソーラーランタンが寄贈された

「パートナーシップ」が成功の鍵
企業が社会貢献活動に取り組むうえで、鍵になるもの何か。田中氏が大切にしているのは、パートナーシップという。

「地域によって必要としている支援は実に様々です。教育や保健の分野や、女性の就労支援などに注力してきていますが、国や地域によって抱える社会課題は異なります。アジアやアフリカ諸国などの無電化地域の状況を一番よく知っているのはNPOや国連機関などです。どの団体とパートナーシップで協働して取組むかが非常に重要なポイントと考えています。

パナソニックは、現場の課題を熟知され、その解決のために活動を行うNPOや国連機関との協働はとても心強く、責任ある活動を行うために、とても大切であると考えています。これからも、多くの人々とのパートナーシップの下、誰もが活き活きとくらせる『共生社会』を目指して取り組んでいきたいと思います」と、田中氏は未来を見据えた。

カンボジアは、階級差のない共産主義を目指したポル・ポトがクメール・ルージュによって知識人階級、大都市住民、ベトナム系住民、公務員、宗教指導者らを標的にして推定150万人から200万人ものカンボジア人が飢餓、処刑、病気そして過労によって命を落としたと言われて居ます。
1976年から1979年までクメール・ルージュの支配が終焉するまでの間壊滅的な経験をして居たのだ。我が日本でも同じ独裁者が現れないとは言い切れない。この様な歴史を忘れてはいけない!


同じパナソニックの前身、松下電器の松下幸之助氏が中國の鄧小平の要請で中國内に工場を持って協力した事が今の中國の発展に先鞭をつけた反省も有るのかな?
たかだか40年程前に起こった事実を一企業とはいえ、他国の協力で明るい未来を見つめて頑張る姿が頼もしい!利益追求に邁進する企業にもこの様な取り組みが行われて居る事に一抹の希望を見出した。

悪い点として日本の太陽光発電でソーラー事業に孫正義氏率いるソフトバンクの対応に疑問が出るよ。売電の高値買取で電気料金への転嫁が維持されてしまう仕組みを見直せない?
カンボジアの悲劇を知らずに自由に動ける「俺っち」には、想像できないけれど、そうなれば太陽光発電システムを見直して、政治も電気の得られる方法をもっと真剣に国民の間でも議論参加して現在取り得る事に何が本当の電源ミックスでエコも必要であるが企業の利益が広大な敷地を必要とされる太陽光発電システムより、個人住宅へ補助金で個人的に賄えるこの様な小さなソーラシステムがどれだけ出来るのか考えても良いだろう?

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